突然の病気の発症や事故により急激に健康を損なったとき、多くの人は、パニックを起こしてしまいます。さらに、健康の損ない具合の度合いが大きければ死に至ります。急性期医療は、このような患者さんの病気の進行を止め、回復の目処が立つまでの間、医療を提供します。急性期医療を受ける患者さんの中には、一刻を争う状態で死と隣り合わせということも珍しくありません。まさしく、救命救急センターやICUに運びこまれる患者さんです。そのため、治療する医師が、専念しやすいように環境を整えたり、医師の指示に迅速に対応できる「急性・重症看護専門看護師」が必要となります。
急性期医療の現場では、患者さんの容態は刻一刻と変化していきます。加えて、生命の危機的状況に置かれることが多いため、患者さんだけでなく家族も激しく動揺します。迅速かつ的確な判断と素早い行動も重要ですが、患者さんや家族のデリケートな状況にも対応していかなければなりません。
「急性・重症看護専門看護師」は、看護師では解決が困難な看護を要する患者に対して、生命維持やセカンドアタックの予防のための高度な看護ケアを実施しま す。そして、患者さんの回復治癒力を促進させつつ、トータルペインの緩和ケアを行うことによって、患者さんが安寧な生活に戻れるよにサポートします。さらに、患者さんが質の高いケアを受けられるように、医師、看護師、薬剤師はもとより放射線技師や臨床工学士、ソーシャールワーカーや栄養士などとの調整も行います。
患者さんだけではなく、家族の心のケアも大切な職務であるため、患者の容態や今後の治療方針など状況を的確に説明し、不安を取り除くことも行っていきます。「急性・重症看護専門看護師」の活躍の場は、やはり、救命救急センターやICUが主となります。救命救急センターやICUは、目まぐるしく状況が変わり、また常に緊迫感のある現場です。そこでの勤務は、相当ハードなものとなります。しかし、身に付けた高い専門知識と優れた技術で、患者さんが回復していくというのは、非常にやりがいのある現場でもあります。
救急医療の現場では、人出が不足しています。そのため「急性・重症看護専門看護師」の資格は、転職の際、有利に働くと思われます。
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