看護師プラスアルファーの医療行為を行うという点において、ナースプラクティショナーはアメリカ版特定看護師のようなものと考えて下さい。
ナースプラクティショナーと特定看護師の大きな違いは、実際にアメリカでは既にナースプラクティショナーが制度として動いているという点です。ナースプラクティショナーは、臨床医と看護師の中間と位置づけられており、看護師ができる範囲の看護行為よりより広い範囲での医療が行うことが可能で、州によっては自らの責任で診療所の開設を許可したり、別の州でも医師の監督下で開設を許可しています。
ナースプラティショナーの資格取得方法としては、看護師として一定の期間の職務経験を経た後で、必要な学位を専門職大学院にて取得する事で取得できます。また、この資格の規制は州単位で規定されているため、先程少し述べたように、診療所の開設基準等はそれぞれの州によって変わってきます。現状として、医師のいない過疎地等において診療の主体となっているナースプラクティショナーもいます。
正直、ここまでの権限が日本の特定看護師に与えられるかはわかりませんが、アメリカにおいてナースプラクティショナーは医療においてかなり重要な役割を果たしていると言えるでしょう。日本においても、特定看護師制度が提案されるまでの課程において、診療看護師(日本版ナースプラクティショナー)についても議論が重ねられました。
特定看護師と診療看護師の違いは、特定看護師が医師の包括的な指示の元で医療行為を行うのに対し、診療看護師は自分自身の判断で医師と協力して医療行為を行います。現在は特定看護師の制度に少し隠れてしまった感もありますが、日本NP協議会が着実に診療看護師の推進活動を行なっており、特定看護師の定着後診療看護師の議論への発展を目指して活動を続けているようです。
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