血管が出にくい人には、駆血前後の一工夫で血管が見やすくなることもあります。
「私、看護師さん泣かせで・・・」「血管出にくくてごめんなさい」という患者さんには、こちらもやっておきましょう。
- 腕を下におろしてもらう
- ぐーぱーぐーぱーを繰り返してもらう
- あたためる
- 可能ならお水を飲んでもらう
駆血後
- 親指を中にして手を握ってもらう
- 抹消から中枢に向かってさする
- 座位で難しければ臥床になってもらう
<血管がでない人への対応(駆血前編)>
腕を下におろし、ぐーぱーぐーぱーを繰り返すことで血液が集まって、血管が怒張しやすくなります。
また、寒い場合(冬場の寒い会場やエアコンが効きすぎている場所など)では、血管が締まって怒張しにくくなります。このようなときは、ホットタオルやホッカイロでしばらく温めてもらうと良いでしょう。あたたまると血流が増加して、血管が怒張しやすくなります。
水分量が少ない場合も血液量が減るので血管が出にくくなります。お水を飲んだからといってすぐに血管が変わるわけではありませんが、注射まで時間があるようなら水分摂取を促しておくと良いでしょう。
ちなみに、昔はよく行われていた「パンパン叩いて皮膚を真っ赤にする」ことに血管が出るというエビデンスはありません。ご高齢の患者さんから「叩いていいよ!」と言われたときは、笑顔でお断りしましょう。
<血管がでない人への対応(駆血後編)>
親指を中にして手を握ってもらうと、血管が出やすくなり、患者さん自身腕に無駄な力が入らないので、血管注射の際は必ずやってもらうと良いでしょう。
また、駆血した状態で抹消から中枢に向かって(穿刺部位まで)皮膚をさすりあげると、静脈血が集まり血管が怒張します。血管を触りながらこのようにすると、血液が集まるのが確認できるので、血管の太さもわかりやすくなりますよ。
色々試してもなかなか血管が見えないときは、臥床になってもらうと良いでしょう。
血管を探しやすいだけではなく、血管が出やすくなるので、座位で血管が見つからない場合にはベッドを用意するのもひとつです。