<直針による採血時の固定>
3点固定をすると針がずれません。
・ホルダー
・ホルダーを保持している自分の手
この3点をしっかり密着させ、動かさないようにします。
スピッツを変えるときに動きがちですが、このとき3点をしっかり固定させたまま、スピッツとホルダーのつば部分で操作すると針がずれません。
<翼状針の固定>
【採血の場合】
・手放しタイプ
・片羽保持タイプ
血管に針が入ったら、そのまま患者さんの皮膚と自分の手で両羽を保持しながら固定するタイプ、手を放すタイプ、片方の羽と患者さんの皮膚を固定するタイプがあります。
おすすめは、片羽保持タイプ。安定する上、ほとんどの血管タイプに適します。肘部の血管なら、片羽を親指で押さえたまま患者さんの皮膚に密着させます。残りの指は患者さんの腕をつかむように添えるだけなので、保持している手が疲れません。
一方、両羽を挿入時と同じように保持するタイプは、血管が細い患者さん、特に微妙な角度で逆血が変わってくる患者さんに適しています。
手放しタイプは、自分では動かない患者さんであることが第一条件。また、手はすぐに出せるようにしておきましょう。
【静脈注射の場合】
固定時、翼状針の羽の部分をテープで固定しますよね。
このとき、挿入した針の角度によって、土台を作らないと漏れの原因になります。
針挿入の角度が浅い場合、羽を広げるようにして皮膚にぴったりと固定します。これが一番安定!
しかし、深めに入れた場合、皮膚にぴったり固定することで針が持ち上がり、血管を突き破ってしまう可能性があります。そのため、羽の下に酒精綿などで土台を作ってからテープで固定していきましょう。挿入角度によって厚みを変えて土台をつくることで、針が安定し、静注中に漏れる心配も減りますよ。
一方、手背など微妙な血管に入れた場合、固定時の手ブレで針がずれてしまうことも。
これを避けるために、片羽だけをテープで固定するという方法もありますよ。
いずれも、一度固定したら逆血を確かめ、漏れていないことを確認してから、静注しましょう。