■第一選択は前腕!
採血と留置針では、血管の選び方は違います。
一時的に血液をもらう採血と違い、長い時間点滴を滴下する留置針は前腕が第一選択。
採血では第一選択の肘部血管は、腕の動きによって安定しないので、留置針には適しません。
ただし、CTやMRなどの検査で一時的に挿入する留置針の場合、肘部でも良い場合があります。前腕の血管があまり良くなければ、放射線技師さんに相談しましょう。
■留置針挿入に適した血管とは?
血管を選ぶ際、弾力、太さもありますが、走行も重要です。
なるべくまっすぐで蛇行していない血管の方が、針がもちやすいですよね
とは言っても、ある程度動いても針がずれないくらいの長さの血管があればそれで良いのです。
筆者が新人の頃、留置針のカテーテル部分は全部を血管に入れなければ・・・と思っていて、よく「入れられる血管がない!」と焦っていましたが、そうではありません。
ある程度まっすぐで、針が入るくらいの弾力、太さのある血管を選びましょう!
■血管の探し方
手背
まず、患者さんに腕を出してもらうと腕の内側をみることになりますよね。内側にわかりやすい血管がある方もいらっしゃいますが、細めだったり、深かったり、入れにくい血管の方もいますよね。
次に見るのは橈骨側です。腕をくるっと返してもらって外側をみてみましょう。腕の内側よりも太くてわかりやすい血管がある場合があります。
さらに、腕の裏側をみます。尺骨側のさらに下あたりですね。意外と見落としがちな良い血管があることもありますよ。
左右の前腕を一周探しても良い血管が見つからない場合、肘部の血管がよく出ていれば、肘部の下あたりに針先がくるように入れると、滴下に影響がでないこともあります。しかし、滴下してみないとわからないので、動かしてもらって滴下状況を確認しておきましょう。
腕の血管が見つからない場合、手背を見ます。
手背の場合、動きやすい部位なのでなるべくまっすぐで漏れにくそうな血管を選択しましょう。そして多少動いてもずれないようにしっかり固定が大切です。