今回は個人病院の婦人科に8年お勤めの、みなみさん(32歳)に婦人科での体験談をお話いただきました。
とらみ:「こんにちは。今日はよろしくお願いします。早速ですが、みなみさんはなぜ婦人科を選択されたのですか?」
みなみさん:「こんにちは。母が不妊症で婦人科のお世話になっていたことから、自分も同じ悩みを持つ女性を助けたいと思ったからです。」
とらみ:「勤務先は産科と婦人科のある個人病院ということですが、やはり不妊治療などでかかられる患者さんと、お腹の大きな妊婦さんが同じ空間にいるということは難しいですか?」
みなみさん「産科と婦人科が併設してある病院は多いので、どこも似たかんじだと思いますが、待合を分けることも出来ない小さな病院なので来院時間を遅くにずらしていただくなどで対処するしかなく、難しいですね。」
とらみ:「婦人科は女性特有の悩みを持った方が来られるので、ナイーブな問題も多いですし、特に若い女性には羞恥心から来院にはとても勇気が必要で敷居が高いと言われがちですね。」
みなみさん:「そうですね。ガンや筋腫などで卵巣や子宮をなくしてしまった若い患者さんなどにはかける言葉が見つからないことがありますが、若い女性にこそ、きちんと受診して欲しいと思います。看護師として重要だと思うのは、患者の命を優先することを一番としますが、ご本人が納得されないことも多く、そこをどう理解し冷静にどうフォローできるかがだと思います。」
とらみ:「産婦人科では助産師という職種もありますが、目指す方も多いですか?」
みなみさん:「助産師は看護師の資格がないとなれない仕事ですし、助産師の資格があれば、幅広く病院を選ぶことが出来るようになるので、目指す方も多いですね。ただ、助産師はどうしても分娩中心になってしまいますが、産科・婦人科では、不妊治療であったり、女性特有の病気に関わるのは圧倒的に看護師なので、「看護」を中心に仕事をしたい場合は助産師よりも看護師の方がいいと思います。」
とらみ:「なるほど。晩婚化や少子化が進み、女性特有の病気や不妊治療で通院される方が増え、みなみさんのお勤めの病院では新しい取り組みをされているそうですね。」
みなみさん:「はい。患者の担当制を取り入れたことがありました、説明から出産・退院まで全てを一人が受け持つシステムとし患者さんからは好評でした。やはり不安なことが多い妊婦さんにとってずっと同じ看護師が話を聞いてくれるというのは精神的に良かったようです。小さい病院なので全員にはなかなか難しいため、現在は希望があれば担当制をとるという形に落ち着きました。」
とらみ:「小規模な個人病院では難しいかもしれませんが、デリケートな科目であるが故に、担当制はニーズのある試みといえますね。」
みなみさん:「小規模の病院のメリットは地域に密着しているということですが、デメリットはやはり設備の違いです。妊婦検診では問題のなかった赤ちゃんが生まれてみれば・・・ということも少なくありません。命に関わることであればすぐに緊急搬送されますが、予測できないことも多くもどかしい思いを抱くこともあります。生まれた赤ちゃんが元気に泣いてくれたとき、お母さんと対面して胸の上で気持ちよさそうに眠っている姿を見るとやっていてよかったとやりがいを感じますし、不妊治療で長年悩んでたご夫婦に赤ちゃんが出来たときは自分のことのように嬉しかったですね。」
とらみ:「そうですね。これからも日々の業務頑張ってください。今日は貴重なお話をありがとうございました。」
みなみさん:「ありがとうございました。」