今回は神経内科にお勤めの、えるうさん(28歳)に神経内科の看護師の仕事についてお話いただきました。
とらみ:「こんにちは。今日はよろしくお願いします。えるうさんは神経内科に勤めて5年だそうですが、ご自身で神経内科を希望されたんですか?」
えるうさん:「こんにちは。大学を卒業し、就職した病院で最初に縁があったのが神経内科だったんです。自分で希望したわけではないですが、異動を願い出ないで勤務しているのは、ここでやりたいことがあるからかもしれません。」
とらみ:「神経内科は、普段あまり耳にする心療科目ではありませんんが、どういった患者さんが多いんでしょうか?」
えるうさん「私の勤務している市民病院では、脳神経関係の病気の方が多く入院している病棟で、いわゆる脳梗塞などの後遺症と闘っている方が多く、多くの苦しみと戦っている姿が非常に印象に残る職場です。」
とらみ:「脳梗塞というのは非常に危険な状態で、手術等により一命を取り留めたとしても体が動かなくなってしまうという次の問題が控えていますね。」
えるうさん:「はい。トイレに行く、お風呂に入るという極めて当たり前に一人で行ってきたことが出来なくなってしまいますので、患者さんには想像を絶するストレスなのです。せっかく助かった命ですので何とかリハビリを行って自分の力で生活が出来るように支援していく、それが私が勤めている神経内科の業務の一部でした。」
とらみ:「仕事をしている上で、難しいと感じるのはどんなことですか?」
えるうさん:「神経内科独自の問題ではないと思いますが、やはり患者さんの生活の基本的な部分が崩壊してしまうので、気持ちの面からそれを支えて寄り添っていくのが難しいと感じます。しかしこの様な業務は患者さんと接する時間が長い自分たちでなければ難しいということも分かっていますのでやりがいがあります。つらいのは必ずしもそのような気持ちが届くわけではないということです。」
とらみ:「神経内科で対応することのある病気は様々ですが、比較的高齢者の患者さんも多いですし、自由に動けずストレスをためやすい患者さんとどう接していくかが課題になりやすい環境なわけですね。」
えるうさん:「そうですね。男性患者さんからのセクハラは多少覚悟しておく必要があります。しかし失われた機能はリハビリである程度は戻ります。それを励まし支えて行くのが私たちの仕事では無いかと感じます。そのような仕事に関心を持てる人ならお勧めできる職場であると言えます。」
とらみ:「えるうさんご自身は、どういったことにやりがいを感じられていますか?」
えるうさん:「やはり患者さんが退院していく時です。半身不随状態になってもリハビリの成果次第では若干の改善が見込めるケースもあるのです。そのようなケースにおいては一人で歩けるようになったり、お風呂やトイレが可能になることも珍しくはありません。時には厳しいことを言わなければならないこともありますが、しっかりと向き合ってその結果少しでも良くなって自宅に帰ってもらうことが出来れば、その時が一番うれしいと感じます。」
とらみ:「そうですね。今日は貴重なお話をありがとうございました。」
えるうさん:「ありがとうございました。」
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