今回は3人のお子さんを抱え、看護師暦24年という大ベテランの、にゃこさん(44才)に体験談をお話して頂きました。
とらみ:「こんにちは。にゃこさんは看護師暦24年ということですが、どういった科目で働かれてこられたんですか?」
にゃこさん:「こんにちは。産休育休を引くと、キャリアとしては20年ほどなんですが、最初の勤務科目は腎臓内科で、透析センターが併設されていました。その後脳神経外科、泌尿器科を経て集中治療室へ転属しました。集中治療室にはトータルで15年働きました。そして現在循環器内科病棟に転属となり、副主任をしています。」
とらみ:「産休・育休を含めたお休みがあったとはいえ、3人のお子さんを育てながら24年看護師として働かれているのは大変だったのではないでしょうか?」
にゃこさん「子どを産んで育てながら働き続けるには、努力が必要ですが、看護師にとってはごく普通のことと言っていいかもしれません。ほとんどの人は結婚してもそのまま仕事を続けますし、子どもができても普通の勤務をこなします。産後産休育休を取って復帰した場合も、ほとんどの病院が保育室を用意していますので、預け先に悩むことなく復帰できますよ。」
とらみ:「ママさん看護師が一番心配されているのは子供が病気になったりした場合などの緊急時ですが、そういった時はどのようにされていたのでしょうか?」
にゃこさん「私が勤めている病院の保育室では、多少の熱ぐらいでは保育士さんも動じませんし、何かあった場合でも小児科へ受診、そのまま病児保育室で預かってくれていました。さすがに流行性の疾患の場合は連絡がきて緊急で帰宅、ということもありますが。そういった際も感染専従がおりますので的確にアドバイスをもらえます。保育室で流行性疾患が流行りだせば早めに院内メールで知らせてもらえますので、親としても早期対応が可能で逆にありがたかったです。」
とらみ:「院内保育だけではなく、周りのサポートもなくては子育てと仕事の両立は難しいかもしれませんが、緊急時には病児保育室で預かってくれる院内保育室というのも実は多いので、そういった制度があるのか調べておく必要がありますね。ところで、にゃこさんは様々な科目で働かれていますが、どの科が印象に残っていますか?」
にゃこさん:「印象に残っているというか、難しいと感じたのは集中治療室ですが、やりがいを感じたのも集中治療室でした。患者様一人一人とじっくり向き合えるので(集中看護は患者様二人に対し一人の看護師が配置されています)自分のかかわり方をしっかり考えることができました。集中治療室に転属が決まったときは退職を考えたほどですが、今となって思えば初めて就職する際に集中治療室を希望し、鍛えてもらうべきだったなと思います。」
とらみ:「集中治療室は激務だという印象ですが、新卒で配属してもらい、そこで鍛えてもらうという考え方もあるのですね(笑)」
にゃこさん:「そうですね。今でも可能であればまた転属を願い出て、集中治療室へ配置転換してもらいたいと考えていますよ。他に、腎臓内科と透析センターでは毎日同じ患者様とお付き合いするのが非常に難しいと感じました。一度関係がこじれると、患者様がなくなるかスタッフが退職するまでその関係は続くため、かなりのストレスとなりました。集中治療室での重症患者様の看護は大変難しいものがありました。自分の一挙一動が患者様の命にかかわる可能性が大きいため非常に慎重にならざるを得ませんでした。」
とらみ:「なるほど。どの科であっても、やはりそれぞれに大変な部分はありますね。最期に後輩の方へ一言お願いできますか?」
にゃこさん:「看護師が売り手市場であることは20年前より変わっておらず、とにかく仕事に困りません。実際看護対策と言って、求人対策のための委員会があるくらいです。派遣、契約社員の待遇も大変良く、紹介会社経由で正社員に支払う倍以上の支払いを余儀なくされていますが、それも仕方ないと納得されています。正社員の雇用が少ないため(求人に対して応募が少ないため)正社員にはなりたくない方も派遣契約を打ち切られることはほぼありません。しかも正社員になりたいと言えば即契約できるような状態です。初年度で退職したとしても、中途採用先は豊富にあり、国家資格さえ通ってしまえば、1年目も20年目もほぼ変わらぬ対応が期待できますので、看護師を目指している方も、一度退職してしまった方もぜひ頑張って欲しいと思います。」
とらみ:「貴重なお話をありがとうございました。」
にゃこさん:「ありがとうございました。」
関連記事:ICU