今回は病院ではなく健診センターで働かれている、りいとさん(34才)に体験談をお話して頂きました。
とらみ:「こんにちは。看護師として働く職場としては誰でも最初に思い浮かべるのは病院です。この道を目指す人は誰でりいとさんは病院ではなく、検診センターにお勤めということですが、最初から健診センターに勤務されているのですか?」
りいとさん:「こんにちは。大学を卒業して国家試験に合格してから5年間出身の大学病院の病棟で神経内科と診療内科という高齢者の多い診療科目に5年ほど勤務した後、現在の健診センターに移って7年間検査をするスタッフとして勤務しています。」
とらみ:「健診センターというのもいわゆる医療機関ですよね。医師がいて看護師や他の医療スタッフが在籍して様々な活動を行っている点では病院と大きく変わりませんが、検診センターの特徴的なことはありますか?」
りいとさん「健診センターの最大の特徴は、医療機関であるにもかかわらず訪れる人のほとんどが健康な人であるという点です。健診センターは予防医学と呼ばれる分野を担っている医療の一分野を構成しています。病気になる前に病気の可能性を見つけて対処していこう、早期発見で早期対処をしようというのが目的なんです。そのため基本的には人の死に向かい合う場面はなく、怪我などで血を見ることもほとんどない職場です。そのようなことに苦手意識を感じており、それでも医療の現場に力を注ぎたいと言う人には健診センターはうってつけの職場だと言えるかと思います。」
とらみ:「病院という場は必ずしも全てが思い通りに動いていく職場ではないので、治療の甲斐無く亡くなっていく方も多いですし、不本意な死の現場に立ち会うことなどが原因で、頑張って勉強してきたにもかかわらず短期間で働くことができなくなるという人は少なくないので、そのような心配がある人には健診センターでのお仕事は魅力的かもしれませんね。」
りいとさん「そうですね。検診センターでは、一般の医療機関で行う患者さんのお世話とは少し違い検査が中心となります。心電図をとったり、採血をしたり、視力検査や聴力検査もします。時には胃カメラや婦人科検診を行う医師のサポートをするということもあるでしょう。一般の病院とは必要とされる技術が少し違いますが、やりがいのある仕事であることには変わりはありません。」
とらみ:「人の死に向き合うことが、ほぼないという感受性が強い方にとってはよい点だと思いますが、大変なことはどんなことでしょうか?」
りいとさん:「健診センターに勤務して辛い思いをしたとすれば接遇教育です。病院で学ぶホスピタリティとはまた違う丁寧な対応を基礎から学ぶ必要があり、接客業を好きになれないと大変かなと感じることはあります。しかし必要なことをしっかり行うと、サービスを受ける側からの感謝が伝わってきますのでやりがいはあります。」
とらみ:「なるほど。それでは最後に後輩の方へ一言お願いします。」
りいとさん:「健診センターならではの経験には色々ありますが、個人的には他の医療技術職と一緒に働くというのが楽しいと感じています。採血にしても臨床検査技師と呼ばれる別の医療技術者も行うことが出来ますので本当に並んで仕事をすることも出来ます。また聴力や視力、眼底写真や心電図など様々な検査を学ぶことが出来るのは他の病院では経験できないことであると感じます。病院は回復する患者さんばかりではありませんので、人の死で気がめいってしまうような方にはとっておきの職場ではないかと思います。」
とらみ:「貴重なお話をありがとうございました。」
りいとさん:「ありがとうございました。」
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