高齢者の医療の充実と対策

看護師1さて、2016年度診療報酬改定、細かい所はさておき、大きな改定点を見てみますと、まず「かかりつけ医を作ること」~具体的には紹介状なしに大病院にかかると、加算料金がかかります。もう1つは、高齢者と小児医療の充実、特に前者は、認知症の患者さんを診た場合に点数が上がりやすいようです。この前者の「大病院にかかると、よけいに料金がかかる」というのは、もう少し早めに発想自体があっても良かったと思うのですが。というのは、医療は平等という名目の元、どんな人でもどんな病院にかかれる、というふうになっていたのですが、実際にこれが本当にフェアなのか、というと、やや違う気がするのですね。

 欧州に多く見られるのは、皆保険制度ではあるのですが、入っている保険の種類により、かかれる病院のレベルやエリアが限定される、また軽症の場合は、多くお金を取られるという方式です。日本の場合、基本的に難病治療であれ、ちょっと不調なときのビタミン点滴であれ、支払いの割合が同じです。また、それを大学病院でやっても、個人病院でやっても同じです。高度な医療技術を持ち合わせ、治療最後の頼みとばかりにやって来る患者さんが、風邪ひきのビタミン投与に時間を取られ待たされるということになってしまっていたのです。

 これでは、医療機関に勤務する人たちの効率が悪すぎます。また患者さんの質がマチマチになり、治療の段取りも悪くなる・・と、まあ普通に考えてあまりいいことはなさそうなのです。病院をある程度カテゴライズする方が自然だと思います。強いて言えば、大学病院にのみ勤務している人は、そこへ来る患者さんしか見ることが出来ません。高度医療を受ける人=自由診療を受ける人=一定財力を持つ人、ということで、診る患者さんの幅が狭くなる可能性はあります。

 とはいえ、病気は良くも悪くも、誰にでも平等、大学病院に搬送、という機会は、誰にでもあるでしょう。このいい意味でのカテゴライズ=動線整理が、医療機関の負担をどれだけ減らすか、また患者の意識をどれだけ変えるかは、やや興味深い点ですね。診療報酬改定というのは、結構マメに行われるので、こういった長い時間をかけて、意識を変えていきたいことについては、今後いじらないようにしてほしいものですね。

 さて、気になるのはもう1つの方です。認知症診療に強化する方針、つまり認知症に生活習慣病を並行して診察する方向に持って行くようです。これ自体は大変いいことではありますが、どうしても病院という所は「患者さんを増やして収入を増やそう!バンザイ!」・・とはならず、むしろ暇である、病院などない世界が1番という部分と、経営を盤石にしておくという矛盾があるのですよね~。似たようなこととしては、介護認定を努力して下げても、むしろ損をするような話があります。今後ランクの低い要介護者は、施設に入れない可能性大、そうすると諸般の事情で入りたい人の場合「怪我の1つでもして認定度を頑張って上げよう!」という、妙な状況になったりするのです。

 つまり認知症について、気を付けるようになること自体は良いのですが、認知症というのは多分に社会の接し方という部分に、病状が左右されます。早期に「意識する」のは、望ましいのですが、医療による治療、特に薬物投与については、今現在疑問を多く持たれています。また、在宅介護へのシフトも継続しているようですが、「認知症の疑い」を受けたときに、「よし!早めに散歩をして予防をしておこう」という単純な構図にはならないと思うのです。むしろ、本人や家族が「ついにきた」と、どんよりする、そして介護施設を調べ、待機者数やかかるお金にどんよりする、というのが現実ではないでしょうか。まだまだネガティブなイメージの大きい病気ですよね。

 これについては、認知症でも仕事をしている人、出来ることで人と関わりイキイキしている人などが当たり前にいることが知られればいいのですが、どうしても、まだ認知症=人生のエンディング=介護費用というイメージがついています。今回の改定が「治療」目的ではなく「自分の今に気付き、これからどうするかを考え努力する」という方に向かえば良いのですが。そして改定することで、世間の意識がそうなっていくと良いのですが。現在、例えば精神疾患の患者さんが、社会的な抑圧を受けていないかというと、やはり「障害」というのは、まだどこかで壁を作られてしまうことが多いように思います。また、病気一般にどの程度治療をするのか、どういう状況と付き合うのか?という、根本的な問題がありますよね。これについては樹木希林さんが「全身ガン」を公表し、インパクトある広告を出されたことで、また一歩そういう意識について考えるきっかけになったように思います。

 今回の改定が、かかりつけ医にいろいろ気になることを相談する~大したことでなければ、個人の生き方の工夫やかかりつけ医との話で済ます、また大したことであっても、それに対してどう付き合うかも、かかりつけ医と話し合う、そして、きちんと治療を受けたいとなれば、大きな病院に行くという構図になると良いのですが。診療報酬、治療に対してだけではなく、診察=大したことではなく、本人が努力すること、という結果に対しても評価が出るようになるといいのですが。病気=完治という意識を変えることが、今後の高齢者の医療対策で1番重要だと感じます。


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