被災地における医療の在り方を考える

被災地の医療現場未だ震災の爪痕が残る福島県、あれから5年。現在も復興作業が続いています。
5年も経つと人々の記憶から薄れがちですが「3.11」と聞くと、あのときを思い出すのは筆者だけではないでしょう。
テレビや新聞などのニュースでは、被災地の様子を今でも生々しく報道しています。(ドキュメンタリーでは涙なしには見られないような番組もありました。)

現在でも復興作業は続くものの、一部の報道では復興作業に遅れがでているとのことです。
余儀なくされる仮設住宅生活は続いていますし、善意で集められた募金が有効に使われていなかったということもありましたね。少しでも早く被災地が復興することを心から願います。

度重なる報道から、「被災地=被爆地=危険」という認識が広まり、住みにくい地域となったばかりではなく、食の安全という視点での報道が復興を阻害することもありました。
それに伴い、食品の放射線量にも目を向ける全国の主婦は増えましたよね。
特に小さなお子さんがいる家庭では、被災地で採れたものを極力避け、購入する際も放射線量をチェックしてからという方もいらっしゃいます。そのことが良いのか悪いのか、賛否両論ありますが、未だに震災の影響があるということに変わりありません。

さて、課題は数多く残る被災地ですが、中でも医療の問題は深刻です。
医療の現場では、震災を理由に辞めた看護師が多くいます。被災地の約40%の施設で退職した看護職員がおり、中でも福島県では全体の約半数の施設で退職者がでています。
今でも深刻な看護師不足に悩まされており、医療を必要とする地域の方々にとって死活問題です。とはいっても、看護師にも生活があり、家庭があり、それぞれの事情を抱えていますから、被災地に赴く看護師はそう多くはありません。

被災地における看護師の募集は数多くありますが、「高時給」や「好条件」と提示していても、自分や家族の安全や生活を考慮するとためらう気持ちはあるでしょう。
看護師はただでさえ忙しい現場で、人の命を預かる責任感と重圧の中、懸命に動きます。しかし、看護師不足の病院は一人あたりの仕事量が増え、それらの負担は何倍にもなってひとりひとりに重くのしかかります。
また、忙しければ忙しいほどミスも起きやすいので、さらなる注意が必要です。つまり、あえていばらの道を進む人はそうそういないということです。

このような背景にある福島において、先日訪問看護ステーションが介護報酬を不正請求していたと報道がありました。
勤務していない看護職員を勤務予定と偽り申請し、計画書を作成する資格がない准看護師が作った計画書に基づいてサービスを提供していたため、県が居宅サービス事業者と介護予防サービス事業者の指定を取り消すと発表したというものです。

【ちょっと解説】
☆訪問看護ステーションの立ち上げには、常勤換算で2.5人の看護職(保健師、看護師、准看護師)が必要です。これに満たなければ訪問看護事業に指定されません。
☆訪問看護ステーションの専門職は、看護師、准看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が挙げられます。
☆訪問看護ステーションの設立のため、様々な融資団体があります。日本政策金融金庫、自治体等の制度融資、独立行政法人福祉医療機構や助成金を出しているところもあります。しかし、どれも返済の必要があるため、資金繰りは必須です。
☆訪問看護事業(介護予防訪問看護事業)の指定基準には、人員数の他にも管轄官庁の介護保険法上の事業者指定を受け、法人格がある、設備基準を満たしている、厚生労働省令に定める運営基準などがあります。

この報道を聞いて、あなたはどう感じたでしょうか。
「利用者を騙すなんてひどい!」
「お金のためによくそんなことができるなぁ!」
「虚偽の申請をして、良心が痛まなかったのだろうか・・・」
と思いますか。

被災地の方々の中には、ご高齢の方も多く、病院に通えない方もたくさんいらっしゃいます。
持病を患っているにも関わらず病院に通えない方にとって、訪問看護はなくてはならないサービスのひとつでしょう。
看護師をはじめとする専門職が利用者さんの自宅に行き、体調確認をはじめ、褥瘡予防やご本人及び家族への知識の普及、医療器具を使っている方々への看護などを行います。
また、主治医と連携して行っていくので、万が一のときも対応します。このような訪問看護の需要は全国において増えつつありますが、看護師不足や資金繰りの問題を抱える施設も多く、奉仕の心だけではやっていけないのが現状です。

今回、摘発された訪問看護ステーションの詳細はわかりません。本当にお金儲けをしようと思って、虚偽の申請をし、利用者さんを騙していたのかもしれません。
しかし、もしかすると被災地の地域住民のためを思い、厳しい条件の中でも訪問看護ステーションを立ち上げて頑張っていたのかもしれません。もちろん、虚偽の申請はだめです。
しかし、今の制度、被災地状況を思うと、この報道は被災地の医療がどのように在るべきなのか考えるきっかけになるといえるでしょう。


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