薬剤名のない注射器で投与ミス!

注射器
11月、日本医療機能評価機構の調べにて「薬剤名を注射器に表記しないことによる投与ミスの事例」が2013年1月から2016年9月までの間に3件報告されたと発表しました。

約3年間で3件。
一見して少ないようにも見えますが、未だにこのような事故が起こっているということは驚きといっても良いかもしれません。

日本医療機能評価機構では、
「注射器には必ず薬剤名を表記する」
「投与直前には必ず薬剤名を確認する」
ことの徹底を呼びかけています。

実際にあった投与ミス

注射
それでは、どのような事例だったのかひとつずつみていきましょう。

【事例1】
対象は小児の患者さん。
MRI検査を行うときに生じました。

担当医師が、病棟で使用する全身麻酔剤のチトゾールの注射器を検査室に持参。
院内の決まりでは「注射器それぞれに必ず薬剤名と患者氏名を明記する」ようになっていましたが、それをしていませんでした。

何も書かれていない注射器を見て、検査担当の診療放射線技師は「他の技師が準備した造影剤が入っている」と思い込みました。

そして検査時、診療放射線技師が造影剤ではなくチトゾールが入った注射器を医師に手渡し、患者さんに投与。
その際、医師は「少し量が多いな」と思ったものの、確認はしませんでした。

投与直後に患者さんの呼吸数が低下したことによって、間違いが発覚しました。

【事例2】
病棟にて入院中の患者さんを対象に生じました。

看護師が、喀痰の排出を助けるビソルボン注のIVと、血栓塞栓症予防薬のヘパリンの持続静注を交換するためにお部屋に向かいました。

トレイの中には
ビソルボン注をつめた注射器(薬剤名のラベルあり)
ビソルボン注の投与前後にフラッシュするための生理食塩水20mlの注射器
ヘパリン+生理食塩水20mlの注射器(ラベルなし)
3本の注射器が入っていました。

看護師は患者さんのところでIVをする際、ビソルボン注の前後に誤ってへパNaでフラッシュをしてしまいました。
その後、別の看護師がトレイの中に生理食塩水の注射器が残っているのを発見し、間違いが発覚しました。

【事例3】
詳細はあがっていませんでしたが、ガスター注射液を誤ってフェンタニル注を投与してしまったという事例です。

事例について考える

○と×
【事例1】
なぜ、間違いが起きてしまったのかについては、これらの要因が考えられますよね。

医師側の要因
・注射器に薬剤名・患者氏名を書いていない
・不要な注射器を検査室に持ち込んでしまった
・手渡された注射器の内容を確認していない
・「変だな」と思ったのにも関わらず投与してしまった

診療放射線技師の要因
・何も書かれていない注射器を他の技師が詰めたものだと思い込んでしまった
・思い込んだ際、確認を怠ってしまった
・注射器を手渡す際にも確認をしていなかった

MRやCTなどの検査では、その際に使用する薬剤を投与するのは基本的には医師です。
しかし、病院によっては看護師や放射線技師が投与する場合もありますよね。
複数の人が関わって投与する場合、より多くの目でチェックしていけば、間違いはより減らせます。何より、薬剤の投与はダブルチェックが基本ですよね。
しかし、医師、看護師、放射線技師など、複数の人が関わることによって、責任が分散し「誰かがみているからいいや」「誰かが準備してくれたから大丈夫」とミスが生じてしまう危険性もあります。
注射器の内容を明記して、投与する際にも確認するということが大前提ですが、それぞれが責任を持って確認していくことが大切です。

【事例2】
看護師として働いていると、よくあるシチュエーションですよね。
ビソルボンだけではなく、オメプラールやホリゾンなど、単身(たんみ)でいかなければいけない薬剤は、生食ももれなくついてきます。

ロックをしなければいけないときにはヘパNaも一緒に持っていくので、シリンジがたくさんになってしまうこともよくありますよね。

しかし、生食もヘパNaも直接薬局からあがってくるものではなく、患者さんの認証も行わないものです。
そのため、ラベル等はなく、つめた本人が気を付けなければいけません。わからなくならないよう、マジックペンでシリンジの裏に生食は「NS」や「生」と書いたり、ヘパNaには「ヘ」と書いたりしますよね。

この事例の中では、「別の看護師がトレイの中に生理食塩水の注射器が残っているのを発見」ということから、生食には明記されていたことがうかがえます。
やはり、すべてのシリンジで内容を明記しておく必要がありますよね。

確認しよう投与の6R!

R
あなたは「6R」すべて言えますか?
また、確認していますか?

投与の6R
・Right Patient:正しい患者
・Right Drug:正しい薬剤
・Right Dose:正しい量
・Right Route:正しい方法
・Right Time:正しい時間
・Right Purpose:正しい目的

これを見て「あれ?」と思った方はいませんか?

そうです、
以前は「5R」だった投与の基本が、今は「6R」と言われているんです。
追加されたのは、「正しい目的」。
指示されたものを確実に投与することに加え、なぜそれを投与するのかということまで確認しましょう。

当たり前といったら当たり前。
でも、忙しいとついつい「いつもの作業」でやってしまいがちです。
薬剤の投与は人命に関わることですから、こういった事例も起きているんだということを知って気を引き締めましょう。


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