自由診療の広がりについて

tyuusya最近、自由診療がいろいろな所で増えてきているようですね。おなじみなのは、歯科の矯正やらセラミックやら、ちょっと美容系の要素が入ったもの、美容外科は自由診療の宝庫ですね。

最近では乳がんの乳房切除の形成が、保険診療になったという嬉しいニュースもあります。しかし、自由診療の広がりは、やはり既に問題が出てきているのです。
自由診療の手術を失敗した場合、何度か手術をやり直しになりますよね、その金額がバカにならないのが1つ、また自由診療なので、医師の腕前が厳密に問われず、技術的に未熟であったりすることも多いということもあります。

元々、医療と言うのは公共の福祉「お金が無くても病気の治療はします」ということで、最低限の治療を受ける権利は誰にでもありますし、だからこそ医師には、一定以上の技術が必要なのです。裏を返せば、患者さんの生き方を考えて、積極的な提案をするということはやりづらいですよね。実験的な治療をして失敗して、苦情がきてはいけない=最低限のことだけをやっておく、無難な路線を選ぶというコンサバ、保守的な世界です。

これに対して自由診療は、やや商売に近い要素があります。「うちなら、これが出来ます」というセールストークが付きます。基本的には、最低限のセーフティーネット~皆保険医療制度があれば、自由な部分が多くあってもいいと思うんですよ。「お金が無い人が損をするじゃないか!」という意見もあるとは思いますが、働いて一定以上の収入を得る動機は、良い暮らしがしたいから、その中に病気になっても安心して治せる選択肢が多い方が良い、という希望もありますね。頑張って収入増を目指し、達成した人に「得すること」が多いのは、ごく自然です。それが日本の資本主義です。

問題なのは「貧乏人には医療は受けられない」となることです。しかし、日本は国民皆保険制度、最低限の医療は誰でも受けられますよね。そこさえ、しっかりしていれば、いいと思うんです。ただ先の乳がんの乳房再建のように「最低限の医療」の基準がどこにあるか、は、難しいですね。しかし、あまりややこしく考えるよりも、漠然と国民の賛成が多そうなもの、というくらいで、間違いはないと思うのですけどね。

こんな自由診療の広がりを後押しするかもしれないのが、TPP~医療分野の海外進出です。あまり交渉の内容が表に出ないので、各週刊誌などからの推測で想像するしかないのですが、自由診療の範囲はやはり広がっていくでしょう。そうでなくても、昔に比べ、患者が「お医者様」の意見を鵜呑みにする時代でもありません。セカンドオピニオンという言葉も普通になってきましたし「これどうなの?」とSNSで疑問を投げかけるとプロの返事が返ってくる・・・つまり患者の持つ情報量がとっても多く、質も高くなってきているんです。

臨床現場で「ネットで見てきたレアな治療法を試してみたい!」と訴える患者さんは、どこにでもいるでしょう。治療の選択肢が増えるのは、とてもいいことです。治療だけでなく「こういう治療をしたのだから、こういうリハビリをしてもいいのでは」という意見が出てくる可能性もあります。自由診療の導入により、患者と医療従事者が同等の立場になり「治療」そして「病気や後遺症を抱えて生きること」を、どんどん当事者同士で言い合うことも出来ます。今までは「その人の生き方」という視点まで、気が回らなかった治療やリハビリが変わっていくのです。

押しつけ医療を返上、そして患者との協力、意見が加わる、これは医療の理想ですよね。しかし、先に書いたように、自由診療には「信頼性」が無いケースも多いのです。だから、どうしても、厚労省などしかるべき機関が「危険性」などを絶えず見張っておく必要があります。自由診療でミスが起きた場合のリカバリーも必要です。そのためには、「国民皆保険」=最低限の医療を盤石なベースにしておくことです。このセーフティーネットはかなりの強みです。

保険内診療で1番大事なことは、医療技術の腕前(診断能力を含む)、それから医師、看護師との意思疎通です。治療の説明を受け、納得する、担当の医師、看護師と何でも話せるかどうか、も大事です。そのうえで確実性の高い治療を受ける、これが医療行為の基本です。基本なくして応用なし!です。

TPPで医療分野が参入してくると、どんどん自由診療や医療システムが変わることも考えられます。自由にいろいろなものが選択できることを喜びと感じるには、先に書いた「高い医療技術の保証と、看護師さんなどとの意思疎通」です。そしてこの2点は、誰でも受けられるようにしておくこと、自由なことをするには、基礎がしっかりしていなくてはいけません。

今、遺伝子検査がちょっとしたブームですが、簡単にキットが手に入りますし「認知症確率80%」というのを見て「きゃ~~」っと皆で騒ぐような状況になっていますよね。こういう状況に対して、地道に愚直に「医療の基本」を守ること、新しい技術や情報に振り回されず、「患者すべての人の命を守ること、病を得た人がまた幸せな生活が出来るよう、サポートすること」この軸がぶれなければ、自由診療の拡大は希望になるでしょう。もはや薬漬けや長期入院で点数稼ぎをやっている場合ではない、という点は評価したいですね。


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