群馬大学病院が病院改革~問われる医療事故対策~

病院
2016年7月から8月にかけて、群馬大学病院では手術を受けた患者さんが相次いで亡くなったことが大きく報道されました。
具体的には、2007年以降、肝臓などの腹腔鏡手術や開腹手術を受けて亡くなった患者さんが50人以上いたというもの。
全国でバッシングされ、なぜこんなことが起こったのかと声があがりました。
それを受けて今月、群馬大学病院では病院改革のための工程表をまとめたと発表。

さて、病院の改革は成功するのでしょうか?

病院の信頼は回復できるのか

医師と患者
このような報道が大々的にされると、病院の信頼は一気に落ちます。
実際、地域住民の信頼もそうですし、今年の研修医内定者数は全国的にワーストクラスです。
落ちた信頼を取り戻すことは、0からのスタートよりも難しいでしょう。

群馬大学病院の田村病院長は今回の発表の中で、

「群馬県にある群大ということを身にしみた。これまでは群馬県にありながら本当の意味で、地元とタッグを組んできたかというとそうではなかった。唯我独尊だったという反省もある」

と述べています。

唯我独尊は「この世で、自分ほど偉いものはいないとうぬぼれること」の意。
つまり、群馬大学病院は天狗になっていたということですね。
競合する病院が多ければ多いほど、質は向上しやすくなります。
頼るところが一か所では、質の悪化につながりやすく、まして病院ならなおさらでしょう。

しかし、逆を言えば、そこに通わなければいけない患者さんもたくさんいるということです。
「隣町にいくには交通手段がない」「長年かかっているので、不祥事があったとしてもここに通う」という患者さんも少なくないはずです。
もちろん、離れていく患者さんもいるでしょうが、病院がちゃんと対応を続けていけば、良い情報も口コミで広がります。
噂やニュースというものは、一時世間で騒がれる一方、時間の経過とともに忘れ去られるものです。
病院の努力次第で、「あんなこともあったけど、頼れる唯一の病院だよね」「昔いろいろあったけど、今はすごくいい病院だよね」こんな風になれるかもしれません。

発表された改革とは

Improve
さて、群馬大学病院では、どのような改革を推し進めていくと発表したのでしょうか。

まず設置されたのは、医学部付属病院改革委員会。
そして、病院コンプライアンス委員会、死亡症例検証委員会、臨床倫理委員会、専門委員会、内科診療センター、外科診療センター、医療の質・安全管理部が新設されました。

これらが新設された背景には、それまで医師のインシデント報告が増加傾向にあったこと、センター長に権限が集中していたことが挙げられます。具体的には・・・

インシデント報告の件数と医師の割合
2013年 4051件(5.3%)
2014年 4822件(8.5%)
2015年 4866件(13.1%)

インシデント報告の件数が増えるということは、医療安全における意識が高まっているとみられる一方、管理や業務を行う上で改善策が求められたともみられます。
現に、それまでの体制では、手術件数が限界を超えていたことや医師の適格性について提言されています。

また、それまでセンター長に権限が集中していたものを内科診療センターや外科診療センター等を設置することによって、各診療教授が責任を持って対応するようになりました。
加えて、主治医制の診療科もチームで管理する体制へと移行しています。
要するに、責任をとるところを明らかにし、個人ではなくチームで動いていくことによって安全な医療を提供しようということです。
人の目が多いほど、安全確認もできますよね。

その他、デスカンファレンスの義務付けや安全教育の強化、インフォームドコンセントの見直しなど、それまでにはなかった事項を追加して、医療安全を徹底していくとしています。

改革後に必要なことは

研修風景
これらの改革について、田村病院長は

「応急処置は全てできたと思う。第一段階として必要条件は満たした。ただ、十分条件としては、みんなで守っていこうと意識が浸透しているかというと、できているとは言えない」

と話しています。

確かに、改革を行うだけでは不十分ですよね。
それまでの病院のやり方や伝統のようなものを崩していっているわけですし、長年働いてきた一部の職員にとって新しい風はうっとうしいものかもしれません。

しかし、それでも病院としての方針をしっかりと固め、少しずつ職員の意識を変えていくほかありませんから、職員ひとりひとりに定着するように改革を推し進めていくしかないでしょう。
大きな組織では職員ひとりひとりの意識改革は難しいという側面があります。
なぜなら、上層部と下っ端が話し合うことなんてほとんどないからです。
平社員がいて、直属の上司がいて、チーム長がいて、その上がいて・・・下から上に意見を言いたくても、この伝言ゲームシステムじゃ個人の声は届きません。
当然、上から下へは周知できますが、どうしても一方的になりがちです。
個人が納得しなければ意識改革は難しいでしょう。
そのため、伝言ゲームをする立場の人たちが、上手く伝えていくことが求められます。上の方針を伝えながらも、下の声を汲み取り、それを還元していかなければいけません。

改革はかたちがみえました。
あと必要なのは、マンパワーなのではないでしょうか。


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