緩和ケアが充実すると良いことだらけ?


前回、横浜の大口病院の事件を取り上げましたが、この数日で調査も進み殺人事件として解明が急がれています。
7月以降、毎日のように患者さんが亡くなり、2か月で48人亡くなっていたことが報道され、病院側としても今後の経営が厳しくなるのではないでしょうか。
今、働いている医療職も何かと大変でしょうね・・・。
しかし、48という数字については、わたしも多いように思ったのが本音です。

テレビのニュースでは、大口病院について「良い病院で悪い噂も聞かない」などと報道されていましたよね。
ネットの一部では「近所に別の病院がたってから患者さんが減り、高齢者の病院となった」「あそこの病院に入ったら終わり」「安楽死の病院」といったイメージがあったともいわれています。
また、看護師についても「良い人ばかりだった」という報道もあれば、「怒鳴る看護師がいた」や「質が悪い」といった噂もちらほら聞かれますよね。
人の意見や噂のようなものは、見方次第で180度変わりますし、働いているのは一人じゃありませんから、どのようにもなります。

さて、この大口病院に入院している患者さんは、高齢で終末期の患者さんが多かったようです。
終末期の患者さんのケアは、通常のケアに加え、疼痛コントロールや外泊の調整、セデーションはどうするかをはじめ、患者さんの希望に合わせて様々なケアを提供しなければいけません。
さらに、亡くなる患者さんが多く、身体面だけではなく、精神面におけるストレスもかかりやすい環境ですよね。
どのようなケアが行われていたのか、看護師ひとりひとりの勤務状況はどうだったのかなどは報道されていませんが、働く身としてはおそらく楽ではなかったでしょう。

しかし、自分が終末期医療を受けることを思うと、完備された病院はどれだけあるでしょうか。できれば、自分で受けたいなと思えるような医療を提供できている病院に勤めたいですよね。

「緩和ケア」体制は不十分?日本の医療

データ
あなたの働く病院に緩和ケア病棟はありますか?
あなたのところで行われている「緩和ケア」は十分ですか?

日本において「緩和ケア」が整っているといえるがん診療連携拠点病院は、なんと3割程度なんです。

総務省行政評価局が今年1月に行った調査によると、専門医の常駐がない病院や緩和ケアチームの専従看護師をつけていない病院、無資格者による心理カウンセリングを行っているなど、「緩和ケア」体制が十分ではないがん診療連携拠点病院が約7割という結果でした。
(現在、厚生労働省ではおよそ400の病院をがん診療連携拠点病院と指定していますが、今回の調査では、17都道府県の51がん診療連携拠点病院を抽出して調べています。)

拠点病院と名前はついているものの、緩和ケアが不十分という病院が7割もあるなんて衝撃的ですよね。
確かに、医師不足、看護師不足と言われる中、専門の医療者を常駐させるのは難しいかもしれません。しかし、拠点病院というからには、専門のチームは常駐させておきたいものです。

わたしが出会った緩和ケアチーム

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緩和ケアチームというと、疼痛コントロールに長けた医師、緩和ケア認定看護師、心理カウンセラーなどの専門職が患者さんの苦痛を和らげるためにタッグを組むものですよね。
また、病院によってはボランティアやペットセラピー、音楽セラピーなど様々な方法で苦痛を緩和し、精神の安寧をはかっています。

わたしが以前勤めていた病院にも緩和ケアチームがあり、緩和が必要な患者さんのところをまわっていたので、わたし自身も関わる機会がたくさんありました。
そのときの緩和ケアチームは、疼痛コントロールをはじめ、心のケア、浮腫が強い患者さんへマッサージなどを行っていましたが、緩和ケアが入った患者さんはそれまでよりも「楽になった」という声をたくさんいただいたように思います。
もちろん、主治医や病棟看護師と連携を取りながら行っていたので、ひとりの患者さんに対し、たくさんの医療関係者が関わるという体制でした。
そのため、連携がとても大事だったのを覚えています。
その後、緩和ケアの病棟ができたので、連携というよりは引き継ぎという形で関わることになった緩和ケアチームですが、みなさん患者さんひとりひとりを大切にする気持ちが強く、かなり忙しい環境下でも決して手を抜かないケアを提供していました。

冒頭で、終末期医療は看護師にとって身体的にも精神的にもストレスが多い環境になりがちだといいましたが、それでもやりがいのある素敵な職だと思います。

緩和ケアチームは患者さんにも医療者にもメリットがある


さて、話を戻しますが、拠点病院とよばれる病院ですらその7割で緩和ケア体制が不十分と言われる中、病院全体でみるともっとその数は減ってきます。
今回の大口病院でも、緩和ケアが十分に行われていたかというと、難しかったのではないでしょうか。
緩和ケアチームが入る一番のメリットは、患者さんの苦痛を和らげることですよね。
しかし、疼痛コントロールがしっかりできていれば、患者さんの状態を今できる限りのベストを保つことができれば、医療者にとって余計なストレスがかからずに済むように思います。
「痛い」「つらい」「あれして」「これして」とナースコールを連打する患者さんもたくさんいらっしゃいます。
しかし、上手く痛みをコントロールできればこのようなことは減ってくるでしょう。

総務省は今回の調査結果を厚生労働省に伝え、「緩和ケア」体制を整えるよう勧告する方針です。
まだまだ不十分な「緩和ケア」、今後充実して提供できる環境になっていくと良いですね。


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