相次ぐ患者さん死亡事故について考える


神奈川県の病院で、点滴に異物が混入し患者さんが亡くなった事件で、看護師が関与しているのではないかという見方が強まっています。
この事件は、横浜市神奈川区の大口病院で八巻信雄さん(88)が亡くなったことから、捜査がはじまりました。
調べによると、点滴袋には損傷がなく、注入されたのは消毒液の可能性があるといわれていることから、看護師の関与が疑われています。
消毒液の界面活性剤によって、中毒死してしまったこの男性患者さんの他にも、同様の手口で亡くなった患者さんがいる可能性が高いとみられています。

一方、長崎ではインスリンの過剰投与によって80代の女性が死亡しました。
この事件は、長崎県川棚町の国立病院機構 長崎川棚医療センターに、感染症と糖尿病のために入院していた患者さんに対し、20代の看護師が10倍のインスリンを投与し、心肺停止状態で発見されたものです。
調べでは、この看護師は患者さんの血糖値を測定せず、架空の数値を2回にわたってカルテに記載し、通常使用する専用の注射器を使用せず、ダブルチェックも怠ったとされています。
そして、「はじめてやるとは知られたくなかった」「一人でもできると思った」と話しているそうです。
宮下光世院長は「調査を進め、再発防止に努めたい」と話しています。

立て続けに起こった、患者さんの死亡事故。
看護師が当たり前のように行っていることからそれると、このようなことになるのだと、改めて考えさせられる事件です。

インスリン10倍投与、長崎の死亡事故を考える


さて、長崎の事件では何がいけなかったんでしょうね。

・看護師としての自覚が不十分
・新人教育の甘さ

言動から、この20代の看護師は、新人さんだったのでしょう。
「はじめてやるとは知られたくなかった」や「一人でもできると思った」という気持ちは、わからなくもありません。
教育の手厚い病院に勤めた筆者も、「こんなこと、一人でできるよ」「先輩呼ぶのが煩わしいな」と思ったものです。
しかし、「手浴」や「足浴」などと違って、今回は「インスリンの投与」。患者さんに直接投与するものは、やったこともないのにひとりで行うのは絶対NGです。
まして、ベテランの看護師でも薬剤投与のときはダブルが基本ですから、そこを怠ってしまったのはやはり意識の低さといえるでしょう。

看護師には「危機管理」が求められます。
もしも間違ってたら・・・もしも○○だったら・・・こういった「もしも」を考えるのは、一般の人ならやりすぎと思うかもしれませんが、命に関わる問題はこれくらいして当たり前。
看護師は、石橋をたたいて渡らなければいけないのです。

しかし、このような事態を招いてしまったこの看護師だけが悪いかというと、そうではないかもしれません。
そこに、先輩看護師は誰もいなかったのでしょうか、プリセプターはどのような教育をしていたのでしょうか、そういったことも考えますよね。
新人教育の制度は、病院によって様々です。
熱心に教育をしているところは、プリセプターがつきっきりで教えますし、半ば放置の病院もあります。
しかし、基本のところは必ず指導しますし、危なっかしいような場合、目を光らせていますよね。
「あの子大丈夫かしら?」「あの部屋つけたら、あれやったことないはずだよね」と考えておくことも、先輩看護師には当たり前のように求められます。
もちろん、やったことないことをそのまま行わず、先輩に声をかけるのは必須ですが、普段ちゃんと教えてもらっていたのか疑問に残ります。
例えば、聞いても教えてくれない、能力以上のことを求められていた、多忙すぎた、などの理由が、もしかしたら潜んでいたかもしれません。
これは想像になりますが、そのような職場環境が悪い状態であれば、新人さんが困って暴走してしまうということはありえない話ではないと思います。

神奈川の異物混入事件を考える

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一方の、神奈川の異物混入により患者さんが亡くなってしまった事件。
これについては、現在捜査段階なので何とも言えませんが、本当に消毒液が注入されていたとなると、故意的だったのではないかと思います。
何のためにやったのかはわかりませんが、やろうと思えば看護師なら誰でもできますよね。

このような結果になることを予測できるはずなのに、起こしてしまったということは、何か考えや欲望のようなものがあったのかもしれません。

ただひとつ。長崎の事件と共通していることは、看護師としての自覚が低いということではないでしょうか(神奈川の事件の犯人が看護師だと決まったわけではありませんが)。
また、それ以前に社会人として、人として、「責任」に欠けていたのではないかと、わたしは思います。
看護師は人の命を預かる仕事です。こどもが道端の蟻を踏んで殺すようなことは、看護師の世界ではありえません。
むしろ、現代の人間社会において、どんな理由があっても死刑以外の殺人はタブーですよね。
それが意図したことか否かが問題なのではなく、看護師は行為ひとつで人の人生を変えてしまうかもしれない、という自覚を持って行わなければいけないということが、大切なのです。
新人時代、先輩のチェックなしに動けなかったことについて、当時は煩わしさを感じていましたが、責任という意味では当然の行動です。
今、同じように感じている新人さんがいたら、看護師の先輩としてこれらの事件を戒めとして伝えていきたいなと思います。


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