病院に潜む薬物依存の影と背景


最近、千葉県の看護師が病院から盗んだ麻酔薬や向精神薬を使用し自宅で意識不明となったことがニュースになりましたね。

報道では、千葉県船橋市の市立医療センターに勤務する30代の看護師(女性)が、8月から9月にかけてプロポフォールやミダゾラムなどの薬剤を8回にわたって盗んで自宅で使用していたとのことです。

自宅で麻酔薬を使用中、一時意識不明となり、同居していた母親が通報したことで事件が発覚しました。
救急隊員が薬のアンプルをみつけてからは、自宅療養していましたが、夜に病院に忍び込んで薬を盗んだと報道されています。
現在、看護師は別の病院に入院中だそうです。

数年前にも北海道八雲町で、医師と看護師が病院から麻薬を持ち出して使用したことが話題となりました。本来薬剤を厳重に管理し、正しく使用することが当たり前の医療者が、なぜこのような事件を引き起こしてしまうのでしょう。

薬物依存~不法な使用と正しい使用~

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今年はじめに清原和博が逮捕され、6月には高知東生が逮捕されました。
それまでも、たくさんの芸能人が薬物使用で逮捕され、そのたびに大きく取り上げられています。

薬物依存の恐ろしさについては、ニュースでも嫌というほど流れますし、看護師になる過程で依存症についてもよく学んできましたよね。

「一度使ったら最後、辞められない」
「辞めてからも、死ぬまで誘惑と戦い続けなければいけない」

このように言われる、麻薬や覚せい剤。
これらには種類や用途があり、合成のものはより依存性を高めるため、また快感を得られるため改良されてきました。

一方、病院で使われているのは、当然ですが医療用の薬剤です。
正しく使うことによって、患者さんの苦痛を緩和し、痛みを取り除く良い方向に働きます。
今の医療にとって、麻薬や向精神薬はなくてはならない薬剤といえるでしょう。
これらの薬剤がなければセデーションもかけられず、多くの患者さんが苦しむことになるでしょう。

看護師として、薬剤を使用したあとは評価をしなければいけません。
投与した薬剤によって、患者さんの苦痛がどの程度緩和されたのか、それは足りるものなのか、それとも多すぎて傾眠などがでてきてしまったのか、他に副作用はないかなど観察しますよね。
使用する薬剤や患者さんの状態によって、観察事項や薬剤に求めることは変わってきますが、緩和目的で使用する場合にはスケール等を使用して患者さんの痛みの強さやパターンを観察します。
そのときに、薬剤を使用した感想も患者さんから聞きますが、薬剤を使用してプラスの感想ばかり聞いていると、「使ってみたらどんなものなのか」と興味を持つ看護師も少なくないのではないでしょうか。

「ソセ中」患者さんとの出会い

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筆者が出会った患者さんの中にも薬物依存の方がいました。
その薬剤は、ソセゴンでした。
他の職場の看護師同士で話すときにも、いわゆる「ソセ中」の患者さんと出会った人も多く、医療用の薬剤とはいえ、案外いるものなのだなぁと考えさせられます。

筆者が出会ったその患者さんは、ソセゴン欲しさに自傷行為を繰り返して入退院をしていました。自分で体を傷つけてまで入院して、「ソセゴンください」という姿をみて、やり切れなくなったのを覚えています。
しかし、誰が見ても中毒だったその患者さんに、ソセゴン投与を避けたかったチームは、ワッサや生理食塩水などをプラセボに使用することもありました。
結局、精神科のある病院に転院させたため、その後は姿を見なくなったので、そこで薬物依存の治療を受けられたのだと思っています。

このように医療用のものとはいえ、薬剤依存となってしまう患者さんもいます。
おそらく、わたしが出会った患者さんも、最初に使用したソセゴンは適切な投与だったのでしょう。
しかし、そのうち痛みがなくても、もしくは痛みが少なくてもソセゴンが欲しくなり、ついには自分の身体に傷をつけてまで欲しくなってしまったのだと思います。
そこまで来ると、本人も相当つらかったのではないかと思います。あのときは、その患者さんからナースコールが来るたびにイラっとしたものですが・・・。
その苦しみや患者さんの状態を本当の意味で理解が足りなかったのかもしれないと思います。

看護師は薬剤を手に入れやすい?

マスクの女
さて、話を戻しますが、千葉県のこの看護師は薬剤を盗む際、患者さんに投与したと装ったり、架空発注をしていたと報道されています。
患者さんの状態によっては、投与されたかどうか訴えられない場合もありますし、職場で目につかないように行動すれば気付かれない可能性も十分にあります。
事実、今回の事件が発覚したのも、自宅で意識を失って救急隊員が駆け付けた際に空のアンプルを見つけたからです。
これがなければ、薬剤を不正にしようしていたことは、しばらく発覚しなかったかもしれませんし、闇の中かもしれません。

つまり、看護師は誘惑が多い環境下で働いているということです。ちゃんとした知識を持ち合わせ、心身健康であれば何も問題はありません。しかし、何かが欠けたとき、このような事件が起こってしまうのではないでしょうか。


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