生殖医療と親子関係

family先日、生殖補助医療の親子関係特例措置というものが出来たという話がありました。長ったらしいですけど、要するに生殖医療技術で、他人の精子提供、卵子提供を受けて出産した場合は特例として血縁に関係なく親子関係を認めるというものです。

非常に現実的ですが、一方で未だに離婚した女性は300日以内に結婚することは出来ません。一部例外規定があり、離婚前に妊娠、再婚禁止期間中に出産した場合は、すぐ再婚しても良いようです。この場合の父親は前の夫であるということにしやすいためでしょう。 このように、婚姻の規定は、生まれてくる子供のため、ということもあるのでしょうが、単純に戸籍上の混乱をなくすという部分が大きいようですね。血縁家族と、そうではない家族があることから起きる混乱です。

おそらく生殖医療の精子、卵子提供の場合は、原則として実の親を問わない、つまり血縁上のややこしさがないため、今回の決定になったのだと思いますが、「やはり実の親を知りたい」という声もありますよね。

情実問題だけでもややこしいのですが、ここに相続などが入ってくると更にややこしくなります。そう言えば以前、映画「そして父になる」の公開直後に似たような話が出てきて、週刊誌上で双方の当事者が水掛け論のようなことをしていましたが、どうなったのでしょう。

このように、自分は不遇な環境で育ったのに、調べて見たら実の親はとても裕福で、兄弟は恵まれた生活をしており、相続財産もあるとなると、事態は非常にややこしくなります。人間、いつも大局観を持って生きているわけではないですから「いい学校に行きたかった」という不満が生まれの境遇への不満になっていくことは、もちろんありますよね。

また親の方も、年月が経てば「今更言われても、もはや情は無いし」ということもあり得ます。これを責めることは出来ないでしょう。親になる覚悟をしていた人が、それを放棄した場合は責めの言葉を投げかけられても仕方がないと思うのですが、取り違えの場合「自分の子供には別格の愛情」を注いできたわけです。戸惑う方がむしろ普通に思えます。

生殖医療で子供が産まれた場合は、一応実の親子関係はないものとする、となっているので、この辺の感情は少なくなりますが、どうしても「実の親ってどんな人だろう」と思う可能性はありますよね。また出産した人が子供に情を持つこともあります。そのケアがどうなっているのか、気になります。

しかし最大の問題は、やはり子連れ離婚や再婚に対する偏見でしょう。ここには「血縁」という大きな2文字が横たわっています。よく考えたら、0歳で離婚した場合、子どもの生育には何の関係もないわけで、生殖医療で生まれた子供以上に「実の親に無関心」な子供もいるのでは、と思います。

つまり生殖医療で生まれた子供は、戸籍は綺麗ですが、実の親が解らないことを気にする可能性があり、親が再婚した子供の場合は、現実に幸せに生きられればいい、と、親子ともども思っていたとしても「血縁」の2文字がつきまとう、という全く逆のことが起きてしまうのです。

これはちょっと変な話で、生殖医療で生まれた子供というのは、親が事情を話さなければ解りませんよね。また生殖技術を使った方法を用いてまで、子どもを授かろうと思う親御さんの場合、安定した家族を作れる可能性が大きいです。つまり将来、子どもが自分の出自に疑問を持ったとしても、親との愛着基盤はしっかりできていますし、環境も整っていると思われるので、十分なケアをしてあげられます。

逆に親の再婚事情の場合、再婚家庭がどれだけうまくいっていたとしても300日規定で面倒が起き、今の夫と前夫との関係がややこしくなり、子どもも混乱し・・ということは充分あり得ます。今の夫との子供ということにしてしまえば、現実の時間軸に沿っている分、子どもは理解しやすく楽になると思うんです。「元のお父さんは何なの?」と子供に訊かれたら「昔のお父さん、お父さんは2人いるのよ♪」という説明でいいのではないでしょうか。こういう状況だと、世間に自分の家庭事情をオープンに出来ますし、そこで外部の手を貸してくれる人に出会うチャンスも増えます。

生殖医療技術が進歩したおかげで、血縁ではない家族も暖かく社会に向かられることは、大変喜ばしいことです。しかし、その分、血のつながりや人生の流れがややこしい家が、より置き去りになっているような気がします。

今回の生殖医療技術の親子関係認定は、医療医術と現実を一致させるという意味で、大変有意義ですが、「血のつながりとは」という根本的な問題を考えて、というより事務処理がスムーズだからという理由なのが、やや惜しいですね。倫理的な問題というのは、第3者の卵子提供や代理母という医学的な面と、「親との血のつながり」というとても情緒的な問題の両面があります。そして、情緒面は、結婚の場合、男女の恋愛感情などが入るため、よりややこしくなるのです。

今回の件も「当事者の本当の親を知りたい感情」は、既に問題にされています。医療技術、法律、そして何より人の感情、特にこの最後のために、医療技術も法律もあるということを気に留めておくことが大事です。何はともあれ、関わった人当事者全員が幸せになれる選択が出来るようになってほしいものです。


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