理系研究と広報力

ips山中マニアな私(※念のため、山中とはiPS細胞発見のノーベル賞受賞者の山中先生のことです。)単純にファンなので、NHKクローズアップ現代とまさかのNHKアサイチ登場の両方をしっかり見てしまったのでした。ミーハー心、大満足です。

この番組中でサラリと言われてびっくりしたこと、京都大学iPS研究所でも非正規雇用者が大半なのですね。かなりの予算があるはずなのに、なぜスポンサー付きのマラソンをしておられるのかと思いきや。アメリカではこういう方法は、学者としては普通ではあるとのこと。しかし、今まで学者というと失礼ながらその道しか向いていない雰囲気のする人が多い中、山中先生は珍しく「商才」のある雰囲気のする方ですね。本来こうあるべきなのでしょうか?どっちにしても、こういう人がおられると、広報力は上がっていいのですがスター性というのは、やはりある程度は生まれつきの気もしますねえ。

それはさておき、理系研究の非正規雇用と言えば、あのSTAP細胞騒動を思い出すわけですが・・何だか話の反省部分が全く解らないまま、今に至っていますね。騒動の原因の1つが「理系学者の非正規雇用、腰の据わらない研究」ということだったはずなのですが、国立大学一部分系廃止論などが出る中、どうも教育にお金はかけない方向に行っているようです。

しかし、国立大学の場合「役所勤めをいいことにサボっている人がいる」とは、昔から言われてきたことで、そういう人がいなくなるという意味では、無駄な予算をかけない仕組みはいいのかもしれませんが、ノーベル賞を取っても、部下は非正規雇用にしか出来ない理系の研究職、やっぱり企業勤めがいいかなあ、なんて思った学生さんもいるだろうな、と思うのです。そうなると、おそらくiPS細胞のような凄い技術は生まれないと思うのですね。

何しろ基本的に理科実験は失敗が多い、成功したとしても臨床でお金になるかどうかはまた別の話なわけで、臨床応用できる優れた技術というのは、一定期間とお金がある程度ないと、やはり無理なわけです。しかもSTAP細胞が出来たと思われた時は、優れた技術としてもてはやされましたが、今となっては成功していてもあまり意味はないかも、とも思います。

というのは、万能細胞は既にiPS細胞があり、そこに「もっと簡単で胎盤も出来る細胞が出来ます!」という触れ込みで登場していたものですが、先日ゲノム編集の話が中国で発表されました。人の細胞を使った遺伝子の組み換えの話です。つまり臨床で例えると、iPS細胞の場合、どこか臓器に不具合があったら摘出して、iPS細胞で新しい臓器を作り入れ替えるということが可能になるのですが、ゲノム編集の場合、取り出さなくても遺伝子操作をしていい臓器が出来るようにすればいい、ということになります。つまり、日本の科学界が大きなミスをあれこれ検証している間に、遺伝子による医療技術の進歩ははるかに先に行ってしまっていたんです。

このようにスピード争い要素の多い理系の世界、今度はゲノム編集臨床応用ということになるのかと思いますが、スピードが速いからこそ、逆に倫理的な問題を絶えず投げかけておかねばならない面もあります。外部に絶えず見張られていなければいけない理由はあるのですから、正規雇用をして、基礎研究に本腰を入れてはどうだろうと思うのですね。

前から時々書いていますが、現在遺伝子操作まで来ている臨床の世界ですが、つい40年前までは体外受精成功バンザイだったのです。つまり、体外受精による「思わぬ副作用」があったとしても、現実の方がはるかに速いスピードで進んでしまっているのですね。

放射能被害など、害があることがある程度解っているが、それ以上のことが解らないまま、原発再稼働になろうとしています。つまり、研究結果がもたらした現実を放置したまま、どんどん今という時間は過ぎていくわけです。そうすると、当然問題はどんどん山積していきますね。しかし、そういう技術を検証する研究=もしかすると意味はないかもしれない研究に本腰を入れておこうとすると、研究者自身の生活が成り立たなくなります。

つまり、技術の進歩による困りごとが出てきたときに、基本的なことを知る学者がいない、大局観のある人間がいないということになってしまいます。目先のことだけを追いかけるということは、保険をかけずに何かをしているのと同じです。そして目先がこけてしまうと、フォローのしようがない、外国に出し抜かれるだけでなく国として評価が落ちる、つまり、日本の理系学者は使えないとなってしまう可能性もあります。

物事は何でもある程度、骨格や軸という基礎を作っておかないと、ちょっとした失敗をしたときに、前後不覚になってしまうもの、その感覚は覚えておきたいですね。そういうことにならぬよう、当事者である山中先生は「スポンサー探しで正規雇用」という方向を実践されているわけで、やっぱり物事、このような広報力はこれからどんどん大事になってきますし、そういう人材を育てるという発想も大事ですね。しかし身を伴わない広報というのも、間抜けなわけで、理系のアピールというのも難しいものです。


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