無駄な検査を実施!なぜ?

採血 検査 血液検査
今月上旬の大阪市の発表です。

9月に城東区で行われた集団検診(対象は40歳以上の国民健康保険加入者)において、必要としない貧血検査の採血を無断で行っていました。

大阪市の決まりでは、貧血検査は医師が必要だと判断した場合にのみ、説明した上で通常の血液検査時に追加で行われることとなっています。
しかし、この集団検診を委託された、高槻市にある総合健康センター(社会医療法人愛仁会)の職員(20代男性)が、独断で受診者さん全員に追加採血をすることと指示していたのです。
その理由は、「採血漏れを防ぐため」。

検査漏れの恐怖

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まぁ、わからなくもないですよね。
わたしも健診業務に携わってきた身ですので、検査漏れの恐怖はとてもよくわかります。
巡回健診に行って取り忘れてしまったものなら、どんなに遠くても再度行って謝罪して検査をし直さなければいけません。
ミスが発覚してから、受診者さんへの謝罪、提携している市町村などへの謝罪と今後の方針を伝え、検査結果をなるべく早くだして遅れをとらないように結果作成をしなければいけません。

しかも、受診者さんはたくさん来ます。次から次へと流れるように検査をこなさなければいけません。
その中でミスなく、確実に行っていかなければいけないので、お一人ずつの検査項目をその場で看護師2名のダブルチェック・・・なんていう時間はないわけです。
加えて、最初から検査項目が決まっているわけではなく、医師の診察後に「この検査追加しておいて~」ということもありますし、検査の場にきて受診者さんが「やっぱりこの検査追加したいんだけど」なんて直前で申し出されることもありますよね。

血液検査のことでいうと、採取したスピッツの中で検査項目が追加できるものに関してはまだ良いのですが、検査を追加することでスピッツが増えてしまう検査については、より注意が必要です。
「採り忘れてしまったー!!!」と気づいた時点で患者さんが近くにいる病院と違って、また何時間もかけて受診者さんのところへ行かなければいけない巡回健診はそこに危うさがあるのではないでしょうか。

これらのことからも、今回のニュースに出てきたように「採血漏れを防ぎたい」という気持ちは個人的にはものすごくわかるのです。

医療の儲けと心構え

契約 医師 医療
しかし、ニュースには

「実際に追加で貧血の項目が必要だった人はおらず、採取した血液検体は処分した」

と書かれていました。
つまり、必要のない分の血液をいただいてしまったということなのでしょう。

検査漏れを防ぐことは大切ですが、必要以上のものをいただくことはあってはいけませんよね。
受診者さんにムダな苦痛を与えてしまうということと同じです。

結局、今回のことは受診者さん(60代女性)が市に相談したことをきっかけに、明るみとなりました。
これはわたしの憶測ですが、この受診者さんは毎年この集団検診を受けていて、今までと違うこと(採血のスピッツが多い)に気づいたのではないでしょうか。
受診者さんの相談がなければ、今回のことは明るみにならなかったはずです。
本来は委託された医療機関が責任を持って、安全、確実に検査を行っていかなければいけないのですが、そこは職員の認識不足と言わざるを得ません。

一般的にこのような病院と市町村との間で行われる契約は、専門職ではなくて事務職が行っているところが多いです。
専門職でなくても少し考えればわかることも、事務職からすると難しいことも多いかもしれませんね。
どんな検査でどんなことをして、調べる項目が増える毎に受診者さんにどのような影響が出るのかということは、知識がなければわからないことです。

医療機関もある程度「儲け」は必要です。
一般の企業じゃないですけど、契約をたくさんとって、より実績を増やす、それも安全確実に・・・となると、ミスは絶対に出したくないですよね。
そこで、今回のようなことが起きてしまったのかもしれません。

この世は修行!努力はきっと報われる

サグラダファミリア
医療者としては、何ができるでしょう。
もしも、わたしがそこで働いている看護師(保健師)なら、契約情報の見直し、去年の検査項目とデータは必ず目を通しますね。
実際、そうやって仕事をしてきました。

しかし、これもつくづく思うことなのですが、これまでどのように仕事をしてきたか、どんな指導を受けてきて、どんな人たちの中で働いてきたのかということは、その後の看護師人生に大きな影響を与えます。
わたしは今、新卒の看護師はひとりもいないクリニックで働いていますが、ここまでなると看護師としての価値観や方法までもが大きく変わってきます。
教育がちゃんとした病院で働いていれば働いているほど、新しいことでも手技や細かいやり方が清潔で安全に患者さんのことを思った行動をする傾向にあるように思うのです。
もちろん、同じ病院で働いていても人によって価値観や行動は変わってきます。
しかし、基礎知識などの根底の部分はしっかりと身につくものです。

近年の傾向では、卒業後すぐにクリニックなどで働く看護師が増えています。
しかし、わたしの考えですが、新卒で働くなら大きな病院でもまれたほうが良いと思うのです。
そりゃあ、苦労はします。嫌なこともたくさんありますし、辞めたいって思うことも多いはず。
でも、その努力は必ず報われると思います。どんなかたちでどんな風に返ってくるかは人それぞれかもしれませんが。

今回のニュースでは、大阪市の福祉局は「あってはならない事案。再発防止に努める」とし、医療機関に厳重注意をしたとのことです。
きっと、ひとりひとりの意識が違えばこのようなことは起こらなかったはず。意識の向上と連携はしっかり行っていきたいですね。
つらいことはなるべく避けたいと思うのは当たり前ですが、身になるつらさは体験して自身が成長することは大切なのではないでしょうか。

「可愛い子には旅をさせよ」
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」


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