東北復興について医療ができること

sinsai先ほど見たニュース「東北薬科大に医学部新設、看護師620人体制を目指す」というものがありました。

このニュース自体は「ローカル地域の大学に新しく医学部を作りました、看護師の人数も平均的な数を確保しています」という、目新しさはない普通のお知らせ的な話です。しかし、やはり「東北」という言葉は気になってしまうものです。この東北薬科大も、卒業後宮城県内で勤務することを条件に奨学金貸与をしていくつもりだったのですが、今回改正、東北地域数県に拡大とのことです。

震災云々というより、普通に地域社会に医療施設が必要というニュースなのですが、あまりにも進んでいない気がする東北の災害復興、特に医療方面は力を入れてもいいと思うのです。ちょうど今年は阪神大震災から20年、実は私がこの災害で1番びっくりしたのは、当時「メンタルケア」という言葉が、一般的ではなかったようなのです。私は心療内科に勤務経験があるため、PTSDを筆頭に精神症状の悪化や、新たに精神疾患を拾ってしまいかねない方々の心配をしていたのですが、当時は「その場で壊れたもの」に病気で言えば「急性期」に焦点を当てる風潮だったのです。

この災害を機に、阪神「こころのケアセンター」が出来ました。皮肉なことに、この災害により「メンタルケアというものがある、そして気長にバックアップしていくものである」ということが、多少世間に知られるようになるきっかけになりました。今ではメンタルケアというのは、非常にいろいろな所に存在していますよね。病院内であれば、体の病気から来るうつ症状、環境の変化による認知症、皆さん多くの不安を抱えていますし、でも日々戦わなくては、と葛藤しているのです。

そういう人たちの周囲にいる人の介護うつなどもありますね。すべてに共通するのは、メンタルケアはかなり長い期間を要するということです。心療内科や精神科勤務の看護師さんならお分かりだと思いますが。しかし、世間は毎日仕事、かなり速いスピードで日々を送っているため、そういう人がいることにまで想像力が回りません。また個人や社会のシステムに余裕そのものがないのです。こうして、精神疾患の人はより取り残されていきます。人から認めてもらうこともなく、自己肯定感も低くなります。

震災についていえば、神戸の場合は街の復興が早かったため「いつまでも引きずる自分」を責めて病んでいく人、東北の場合は復興自体が進まず、希望を失う人・・・多くの方が今でもサポートを求めています。いや、自分で何とかしなくては、という人、またはどうでもいいと投げやりになっている人もいます。でも、大災害のような、人の心の耐性を超えた事態に遭遇して、人間簡単に乗り越えられるものでしょうか。一生何かが残り続ける方が普通だと思うのです。それと同時に特に東北の場合は、街の復興という大問題がまだ残っています。

東北薬科大も場所柄、震災のメンタルケアに力を入れるドクターが増えるかもしれません。少しずつ誰かの手が入っていくことが大事なのだと思います。被災者という名の人間はいません。震災までの時間、それぞれの人生を歩いてきた人ばかりです。そのすべてが一瞬にして消えてしまった・・・これからの拠り所を他の地域以上にサポートしなくてはいけないのはいうまでもありません。災害地に根を下ろす看護師、また今はネット社会ですからネットで交流を持てる看護師、そういう方々が増えていくといいなと思います。この場合、多少お金が絡むことが大事です。

どうにもならないケースはさておき「無償の施し」は時に人のプライドを傷つけます。トラブルが起きやすくもなるので、契約という形は大事です。けじめをつけているからこそ、親身になるときはとことんなれるのです。東北の復興にこのように医療がどんどん介在してくれば、地元の活力も上がります。現地の若い人が医者になるかもしれません。ロングスパンを見据えた「駆け込み寺」を東北に多く作っていくことで、モデルケースになる可能性もあります。

東北は元々人口減少地域でもあるため、単純に医療機関を増やすというのも後々問題になる可能性もあります。この点も、日本の多くの地域が持つ課題の1つです。医療機関を増やすのではなく、心のリハビリセンターを作るということも考えられます。新しい東北を作る、そこで医療~医師、看護師などの国家資格をどれだけ活かせるか、多くの物を失った地区であるだけに、既存の無駄を省き、本当にその土地に住む人のニーズにこたえた医療機関、相談機関の形を模索していけるのではないでしょうか。

病院や医療というのは、「あそこに出来たねえ」と言われ、出来てから双方の交流が出来てくるものです。しかし、作る段階から必要な人たちの意見を聞く、利用する人たちが作る医療機関があってもいいのではないか、東北の復興は外の人間が考え、元に戻すのではなく、その土地に住む人がそれぞれ考え、前に進んでいくことが何より大事です。

声を出せる人の意見を聞き、それが出来ない人のことも把握する、災害は非常に悲しいことです。しかしピンチを医療従事者がプラスの方向に変えていくことが出来るのではないか、寒い夜、そんなことを感じました。


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