新人看護師の自殺と背景

女性 心 病
あなたの新人時代はどのような看護師でしたか。

看護学校時代をどのように過ごしたか、どのようなところに就職したか、そこの人間関係はどうだったか等によって、たくさんの新人時代の過ごし方があるでしょう。
理想と現実のギャップに悩んだり、看護のことで悩んだり(これはいつに限ったことではありませんが)、はじめての社会人として学ぶべきことがたくさんあって、大変だったという方も少なくないかと思います。
一方、はじめての社会人、看護師として希望に燃えていた、勉強に明け暮れてそのときのことは覚えていないという方もいるかもしれませんね。

そういうわたしは、いろいろな意味できつい新人時代でした。
看護学生時代もつらかったけれど、人生で一番つらかったのが看護師新人時代だったかもしれません。
それでも何とか乗り越えて今でも看護師を続けていますから、「あの頃があって良かった」と思えているのです。
しかし、過重労働によるうつ病を発症し、自殺してしまった看護師がいます。
今、その看護師の母親が労災認定を求めた訴訟を起こしているのです。

新人看護師自殺、一体なぜ

悩み 心の闇
2012年、北海道札幌市―当時23歳だった看護師の杉本綾さんは、うつ病を発症し、自殺しました。

杉本さんは2012年4月にKKR札幌医療センターの呼吸器センターに就職しました。こどもの頃から責任感が強く、優しさにあふれた人柄だったといいます。
杉本さんは夏頃から1人暮らしを始め、月に1,2回は帰省をしていましたが、だんだんとやつれ、笑顔がなくなっていきました。
携帯には「存在消せるか、死ぬか、とか考えました」「自分消えればいいのに」などの書き込みがされていたことが、死後確認されています。

報道では、朝6時に出勤し22時頃まで仕事。帰宅後は上司から出された課題を行い、深夜2,3時まで勉強するという生活を続けていました。
残業時間は4月で47時間、5月はなんと91時間越え。
月に平均すると70時間を超え、睡眠時間は1日2,3時間だったと母親は語っています。
そして、2012年12月、1人暮らしをしていたアパートで自殺しました。

非常に残念なニュースでした。
新人看護師の苦しみを知っているわたしにとって、手に取るようにつらさがわかります。
残業の多さ、帰宅後の課題、睡眠不足・・・それらに加えてたくさん悩みもあったでしょう。
まわりの看護師はその変化に、つらさに気付いてあげられなかったのでしょうか。助け船を出すことはできなかったのでしょうか。
もしくは、気付いてあげられないくらいの労働環境だったのでしょうか・・・。

看護師と残業

看護師 薬 自殺
新人の4月で残業が47時間。
この数字の感じ方は人それぞれでしょう。残業47時間というと、1日平均2時間程度の残業ですよね。
正直、この数字を見た看護師の中には、「わたしだって、もっともっと残業してるわよ」という方も少なくないでしょう。
むしろ、新人で残業代を出さない職場(これはこれで問題ですが)もありますので、新人でも頑張った分はちゃんと報酬を出している病院という印象を受ける方もいるかもしれません。

しかし、実はこのKKR札幌医療センター。
杉本さんの自殺をきっかけに調査が入り、残業代未払いが発覚しています。これは2015年8月の報道です、

【残業代未払い発覚】
KKR札幌医療センターは残業代を適正に支払っていないとして、労働基準監督署から勧告を受け、2015年7月末までに退職者を含む職員約700人に、過去2年分の未払い分として7億5000万円を支払いました。
病院側の言い分として、労働時間は全てタイムレコーダーで管理しているので未払いは起きていない、と主張しましたが、給与明細上では、月々に支払われた時間外手当の金額のみが記載され、正しく支払われたかどうかが確認できなかったとされています。

真偽はわかりませんが、残業代が出ていないと不満に思う看護師が多かったのでしょうし、実際に未払い金として賃金が支払われたということは、そういうことなのかもしれません。

話を戻しますが、4月の残業が47時間とされていますが、実際にはこれ以上働いていた可能性が高いということです。
「サービス残業」という言葉もあるように、報酬がでないのにも関わらず仕事をするケースは、日本においてまだまだ当たり前に根付いている文化です。
最近ではそういった風潮をなくそうとしているところも少なくありませんが、すべての企業、病院でそうかといったら違いますよね。

「仕事が始まる前に患者さんの情報を少しでも拾おうと早残業をする」「夜勤帯と交代だけど日勤で戻ってきた手術は落ち着くまで看る」「患者さんの急変で帰れない」
こういったことは、看護の現場で「よくあること」なのではないでしょうか。

新人看護師がおかれる立場

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特に新人は学ばなければいけないことがたくさんあります。
疾患の病態生理、看護、治療、検査をはじめ、決まり事や看護技術(スキルアップも含めて)など勉強しなければいけません。もちろん、日々の業務をこなしながらです。加えて、個々の悩み(患者さんとのコミュニケーションや上司との付き合い方など)を抱えているケースも多く、うつ病を発症してしまう看護師もいます。

一方、上司やまわりの先輩看護師はできない新人に苛立ったり、その尻拭いに嫌気がさし、「わたしのときはもっと厳しい指導を受けた」「できない方が悪い」などの理由で強くあたる人もいます。
当然、怒られる側にも問題がある場合も多いのですが、看護師同士でも「おもいやり」の心は大切ですよね。

今回の件。果たして労災が認められるのでしょうか。
このような人がいること、看護師の過酷な労働環境の実態が少しでも世間に広まれば、世の中は少しずつ変わっていくかもしれませんね。
わたしはそう願っています。


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