心臓の肥満症!TGCV


この季節、職員健診を行うところも少なくないのではないでしょうか。
人間ドックや健康診断と聞くと、面倒くさいような気もしてしまいますが、早期発見には重要ですよね。
年齢によって検査項目を変えているところもあり、30歳を超えると、検査項目で年齢を感じる方もいるのではないかと思います。

人間ドック・健康診断あるある
・健診の前日だけ良い生活をする!
・ポケットは空にして体重計に乗る!

 

少しでも良い結果を出そうと頑張る人は、一般の方も同じです。
「健診があるから今週はビールを控える」という世のお父さん方。普段も健康に気をつかってほしいなと願います。

健診は「受けたからOK」ではない!


小林麻央さんのブログが今注目を浴びていますが、その効果もあり、健診を受ける方は増えています。
しかし、「健診受けたからから安心♪」だけじゃNGですよね。
もちろん、受けないよりも受けた方が断然良いのですが、「再検査が出たらしっかり受診にいくこと」「日ごろから自分の身体と向き合う時間を確保すること」も大切です。(こちら《日本のがん検診事情》とこちら《最新のがん生存率が公表!大切なのは早期発見》の記事も参考に)
何かいつもと違うと思ったら、「忙しいし・・・」などと気を紛らわさず、自分の身体と向き合っていかなければいけません。

先日、人間ドックでマンモグラフィーを受けて再検査を勧められていたのを放置し、1年後に受診した患者さんがいました。
その患者さんは、全身メタメタ(転移)でみるからに身体がつらそうでした。まだ、40代です。
人間ドックで再検査を勧められても、がんなどの疾患が100%みつかるわけではありません。
むしろ、全体を見ると疾患がみつかる可能性は低いです。しかし、その「万が一」が毎日どこかで発見されていることを、しっかり自覚していきたいですね。

一方で、「健診を毎年受けています!再検査もいっています!」という方はそれで本当に大丈夫なのでしょうか。
もちろん、そんなことは疑いだすときりがありませんし、考えて前に進めなくなったらプシ(精神科)でしょう。

しかし、自分が受ける検査では何を見つけられて、何を見つけられないのかというのは把握しておきたいところ。
一般的な健診では見つかりにくい疾患って意外とありますよね。
今回は、その中のひとつTGCVについてのお話です。

心臓の肥満症!TGCVってどんなもの?


TGCVは、Triglyceride deposit cardiomy ovasculopathyの略で中性脂肪蓄積心筋血管症のことです。
2008年に日本で発見された疾患で、心筋細胞や冠状動脈硬化巣に中性脂肪が蓄積されることが原因です。
このTGCVになると、重症心不全、 不整脈を来します。

「心臓の筋肉や血管に中性脂肪が蓄積されるのなら、採血でわからないの?」

と思うかもしれませんが、血液検査の中性脂肪では反映されないのが厄介なところなのです。
研究では、組織中の中性脂肪量と血液中の中性脂肪量が、必ずしも相関しないということが分かっており、TGCVのひとつの特徴といわれています。
つまり、中性脂肪が高いと言われたからといって、心臓の筋肉や血管にたまっているとは限らないということです。

このTGCVには、
遺伝子欠損型
特発型

の2つのタイプがあり、前者は遺伝子欠損により中性脂肪を分解する酵素ATGL(Adipose triglyceride lipase)を作れないため生じ、後者は遺伝子に異常がないにも関わらず生じるものの明確な理由はわかっていません。
多いのはダントツで後者の特発型。
遺伝子に異常がないにも関わらず、糖尿病を合併している患者さんの約1割で特発型のTGCVがみられたと報告されています。

TGCVの治験薬は意外なアレ


このTGCV、最近では研究が進み、少しずつそのメカニズムが解明されてきたことで治験もはじまっています。
治験を受けた女性は、倦怠感が強くほぼ自宅で寝て生活していたのが、苦しさがやわらぎ、家事もできるようになったと報告されています。
しかし、2週間の治験薬投与が終わると、症状がもどってしまったので、治療法を再検討しているところだそうです。

治療に使われたのは、中鎖脂肪酸。
ココナッツオイルや母乳などに含まれ、分解されやすい脂の成分です。
少し前には、ダイエットブームの一環で知名度が上がったので知っている人も多いかもしれませんね。
ちなみに、この中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸と違って5倍も早くエネルギーに変換される上、長鎖脂肪酸と違って門脈からすぐに肝臓へと運ばれるので身体に蓄積されにくいという特徴があります。

8年前に日本で発見されたTGCVの患者数は、現在4万人から5万人だと言われています。
しかし、冒頭でも書いたように血液検査に反映されにくく、診断が難しいです。
以前よりも名前が知られてきたものの、専門家は「バイパス手術などを行っても心臓の不調が回復しない人は医師に相談してほしい」と話しています。
循環器じゃなくても、バイパス手術後なのに症状が改善されない患者さんから相談を受けたとき、TGCVの可能性があることを伝えていきたいですね。


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