対話から生まれる信頼感

maturi今回は筆者の住む町の「町おこし的ニュース」の話です。個人的なことで、すみません。

簡単に書きますと、我が町の歴史的文化財が、昨年公式に高い評価を受けました。もちろん町をあげてのお祝い、これを機により、より文化財に愛着を持ち素晴らしい町に、という機運が高まっているのですが・・どうも話が変な方向に行きがちなのです。

町に対する評価って「立派な建物」があるとか、そういうことではなく、それを守る人や文化があることへの評価ですよね。歴史的評価というと「有名武将がいた」とか、いろいろなエピソードそれ自体のことのように思われますが、では大阪は秀吉がいたことが凄かったのか?違いますよね、それをきっかけにして大都市ができ「太閤殿下」と現在進行形で秀吉が呼ばれていること、それが歴史というものだと思うのです。ただ「秀吉」という特殊で立派な人がいた、ということではなく、それを誇りに思い、町を作ってきたことが大阪の人たちの1番の自慢や自信であるでしょうし、その姿が大阪の歴史の魅力なのです。

しかし、時として、この手のことは取り違えられがちです。大阪で言えば「立派な大阪城と太閤殿下」それ自体が、誇りに思われがちです。そして、そういったことをマネすればいいのではないか、と思う自治体が多いですよね。東京五輪もそうなんですが、うわものやうわべの評価だけを見て、まねをする、という浅はかな考えはいい加減時代遅れと気が付かないのでしょうか。それは歴史や文化の評価や街づくりではなく「テーマパーク作り」です。本職のテーマパークはともかく、町おこしにそういう一過性のことをして、継続すると思うのでしょうか。

綺麗にして観光客を呼ぶという方法は、一時的には良いかもしれませんが、精神性やその街の人の愛情が感じられないものは、1年持てばいいようなものです。特に最近はSNSで画像がいくらでも見られますよね。綺麗な「だけ」の場所というのは、いくらでも撮れます。それにプラス出来るものがあるとすれば、その街の人の愛着です。生活への誇りです。

これからの高齢化社会、現在高齢の入り口にいる人は、さほど住まいの場所を変えることはないでしょう。人情やその街の歴史、つまり点ではなく線としてつながってきたもの、その延長に自分がいる、高齢者の場合、特にそのことが大きな生き甲斐や支え、人生の満足感につながると思うのです。確かに、お金がない現在、観光に力を入れたり、何かを変えることは大事です。でも、そのための話し合いが、まず「そこに住んでいる人たち」で行われるのが筋ではないでしょうか。

東京五輪も、一般の東京都民にそういったことを持ちかけられた話は、あまり聞きません。どちらかというと、決定前の誘致の時点で「反対票」が多かったくらいです。それでも良かれと思い、町なり、何なりに土着している人を素通りして「箱モノづくり」を筆頭に「町の改革」が進んでしまうのです。実際に関わる人たちが、とことん話し合った結果であれば、愛着もわくでしょうし、下の世代につなごうという気力も湧くでしょう。しかし、ある日突然、何だか解らない有識者会議で決められたことに愛着は湧きません。地方の人が「地方創生」という言葉に冷ややかなのは、こういったことが全国各地にあるからではないでしょうか。

看護師という仕事をしていればよく解りますが、病気の治療やその後のリハビリ、そしてその人が新しい人生を歩いていくことには、とても長い時間と根気が要ります。もちろん費用もかかります。そういったことを乗り越えて、また根気強く医療関係者が支えた結果、得られるものの大きさは、一発芸的町おこしと、全く重みも深さも違うでしょう。そして、そういう形で恩を受けた人は「根気強く、地味に何かをすることのすばらしさ」を心底感じているのではないかと思うのです。

不可解な地方創生にお金を使われている反面、本人の命が心配な救急医療に携わる看護師、医師がいます。こちらにお金を使ってほしいと思うのは言うまでもありませんが、その分多くの工夫をしていますよね。夜間救急の負担もその1つ、夜間救急にお世話になった人を、自分を含め何人か知っていますが「救急料金(だいたいプラス5千円)」を支払ったことに「財布が痛い」と嘆く人はいても、「おかしい」という人は誰もいません。「急に行って診断してもらえるだけいいよね」「運の悪い出費だよね」という話になります。それは現場を殆ど見たことないにも関わらず、救急に携わる人は、自分たちのために頑張ってくれている、ということは、実感として解っているからです。

国の財政、地方の財政が危ない分、どうしても「一発逆転」や「早期解決」といった方に流れがちです。しかし自然を活かした観光資源は、木を1つ切っただけで取り返しがつかないことになります。何より、時間が惜しいのか、地元の人ととことん話し合う姿勢がないことが多いです。こうして「役所に行っても無駄」という悪循環を呼ぶのです。そうではなく利用する人、お金を出す人色々な人がきちんと話し合って、何かを決めること、これが今1番大事なのではないでしょうか。

人と人がきちんと話をすること、そこから生まれる信頼感は医療だけでなく、どんな分野にも欠かせないものだと思います。


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