対人関係が起こす相乗効果

img_0先日「相馬市の病院で働くことを決めた看護学校教員」という記事を読んでいました。

言うまでもなく、相馬市は原発被災地、しかしそのことよりも「都会より不便」など、個人的な事情によることで求人を出してもいろいろな条件が合わず、適任者が見つからなかったそうです。そこで仕方なく、求職者が知りあった教員に相談してみることに。すると「ちょうどいい感じの人を知っている」との返事!

その人は、その教員の教え子で、一流大学進学後、看護学校に入学というキャリアの持ち主。ただこの女性も、やはり「東京で学べる技術や知識を身に付けたい」などの希望があり、相馬市での勤務との折り合いは、一筋縄ではいかなかったそうなのですが、その辺りの問題は話し合いでクリアし、こうして相馬市の看護学校に優秀な教員が来ることになったとのことでした。

この話は、いわゆるマッチングシステムの落とし穴になるようなことなのです。看護学校の教員募集というと、看護師や看護学校に「案内」を出すのが普通、しかし条件が悪いと、そこで希望から消されてしまいます。
実際に教員になった、この女性の話を考えれば解るのですが、この女性もマッチングシステムだと、おそらく相馬市には就職しなかったでしょう。東京での勉強など、条件面であわないことが多いですから。でも、人づてにしたおかげで、窓口が「自分の恩師」そして実際に職場と話をしてみて、通り一般の面談ではなく、雇う側が望むこと、そして雇われる側が望むことを、とことん突き合せてみるという作業が出来たのです。

この場合、恩師のあっせんでもあるし、おそらくこの人の中には「これからの町、故郷相馬市」ということは、多少頭にあったのだと思います。その青写真を描くのに、希望が持てる状況がある、応援してくれる人がいる、そうなると、元々優秀な人だけに、相馬の町がこれから新しい医療の世界を、切り拓いていく可能性は大きいですね。

決して、ネットの便利さやマッチングを否定する気持ちはありません。何より大きな範囲から、人を探せるようになったのですから、有益ではあります。しかし、仕事をする場合、最後は「人との話し合い」だと思うのです。マッチングでうまく行ったから、と就職して、あまり口も聞かないまま仕事をするとなると、誰の力も引きだせず、活かせませんよね。また、お互いとてもいいことをいろいろ考えているのに、入れ違いになったり、実行の入り口にすら至らなかったり、ということも考えられます。

最近よく「イノベーション」という言葉が使われます、抜本的改革、平たく言えば「現状を根底から変える発想や力」ですが、こういったことを頭の中だけで考えていても、誰もが思い付く、ちょっとした発明にしかならないでしょう。しかし、人としっかり話をすれば「こういう方向もあるのではないか?」ということが出てきます。そして相馬市のような場所の場合、とりあえず医療再生の第一歩という程度の気持ちでいたかもしれないのに、大勢で話すことで「相馬は医療の最先端の見本を示せるかもしれない」というように目標設定が、上がっていく可能性もあるのです。

人と話すことで「出来ないと思っていたこと、頭の中の世界=半分妄想だったこと」が、現実化出来るかもしれない、これがイノベーションに近いことだと思うのです。対人関係が起こす相乗効果や化学変化と呼ばれるものですね。実はこういったことは、医療に限らず地方には割とよくあります。何しろ人口減少が目の前、シャッター商店街をこれ以上放置しておけない、となると、「改革」まで行かなくても、何とかしなくては!というのは切実な問題です。もちろん人が集まって話をしたから有益なことが見つかるとも限りません。しかし、やらなくては見つからないのです。まず行動しかないのです。

またこういった話し合いをするのには、普段から地域の連携(ゆるくてもOK)があることが大事、というのは、誰にとっても自分の住む町の在り様は他人ごとではありません。「当事者が何とかしようと思う!」この気持ちが、1番物事を変えますし、プラスの方へ進めていくのです。

このことは逆を考えると解ります。逆=足を引っ張る人たち、こういうタイプは得てして評論家なのです。「あんなことをしてもね」と解説をぶつ・・。ただし、当事者として関わるために「評論」という外から目線で何かを語るのは、別です。これは、当事者の役割分担の問題ですからね。そうではなく「田舎はやっぱりもう無理よね~」「町おこしで目立ちたいんじゃない?」・・・これらの陰口が何の役に立つのか全く解りませんが。

また現場を見ずに「地方創生」というのも、近いものがあります。今回の記事のネタにした相馬市の看護学校の人は、優秀な人材確保をしたくて、人に訊いてみる、聞かれた方が真剣に考えて、該当した人に声をかける、それに応じる人がいる・・・全員きちんと動いているのです。しかもそれぞれの意思を持って。こういう環境がもたらす最大のメリットは、こういった関係性がどんどん増えていくと「何かを作るために力を合わせる、そしてその中に自分の役割がある」という人を作れることです。

つまり弱点をも周囲は知る、しかし、それをマイナスとしてみるのではなく、プラスに転化する方法を考えることが出来る。人と接すること、そこから生まれるものは本当に大きいのです。人に会う楽しみ、そこから何かが出来ていく希望、人が自分たちで希望を持って生きていく姿に、この記事で出逢いました。


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