各種療法士の需要

JU100_72A 医療専門学校の広告に各種療法士さんの養成コースがあったので、熟読しておりました。そう言えば昔、言語療法士(現在の言語聴覚士)になりたかったな、と思い出しました。殊勝なことを考えたのは、たまたま当時、身内が脳の病気をしたのと同時にNHKのドキュメント番組で療法士について扱っていたからです。「かなり」昔のことですから療法士というのもあまり人数がいなかったのでは、と思います。

ちなみに、その時点=10代のときには、発声障害や嚥下障害など物理的な言語障害の存在を忘れていたのですが、療法士さんが扱う障害は、一般の人の死角になるタイプの事柄が多いですね。例えば、普通の人は何かを読んだら、それを理解して音読する、説明するということは当然出来るはずだ、という無意識の思い込みがあるのですが、文字を認識することと、理解して説明することは別です。理解しているのに、音に出せなかったり、説明できなかったりという再生能力が欠けることは脳疾患では割と多いですよね。普通に話が出来て、本が読めるのだから音読が出来るはずだ、という思い込みは怖いものです。発達障害や一部精神疾患への無理解も同じ理由ですが。

冷静に考えますと、古来より「読み書きそろばん」というくらいですから、この辺の能力は1つできれば他も出来て当たり前とされているんですね。普通の人で、勉強が出来ないタイプの人も、つまずくポイントには、かなり個人差があるのでは、と思うのですが。こういう考え方は、まさに「読み書きそろばん」の学びの場所である学校で、身に付けさせてほしい視点ですが、困ったことに学校という場所は「読み書きそろばん」が出来る人向けのためにあるという、ややこしい矛盾の上にあるのですね。小さいうちから「死角に入るような思いもよらない理由で、何かが出来ない人がいる」ということを教わっておくと、療法士さんにお世話になるタイプの人は、グンと生きやすくなるのですが。

一部の言語障害や、高次脳機能障害の場合、どうしても実体験を当事者自身が広報しかねるときもありますね。言語療法士の仕事の1つは、そういった人がいるということの広報も含まれるでしょう。それにしては、国家資格合格者が年間1500人というのは、どことなく少ない気もするのですが、実際人数の過不足はどうなのでしょう。

療法士さんが極端に不足している話も、なっても意味がない話もあまり聞きませんが、何しろ、資格が取れる公立大学を検索したら「少ない!!」のが現実です。検索してみて、やっと中核都市の大学が出て来る有様、医学部や看護学科の知名度との落差が凄いですね。実際に資格を取って働いている人の数を見ますと2,30代は比較的多いのですが、40代で激減します。さほど肉体労働とは思えませんので、逆算するとバブルの終わりの時代90年代半ばくらいまでは、リハビリなどの概念、特に言語機能のようなデスクワーク的なものは、あまり考えられていなかったのかもしれませんね。

先に書いたように、言語障害は必ずしも後天的とも限らず、先天的に出来ない人も多く、最近ではスピルバーグなどの有名人が公言するようになりましたね。(※スピルバーグはディスレクシア、いわゆる難読症、字が読めずに苦労したようです。)こういった人たちの広報の功績は大きいですね。そうすると、これからどんどん人数が増えていく分野なのかもしれません。

療法士の世界で興味深いのは「何をどこまでやるか」ということですね。例えば日本では「英語難読者、発音難読者」でも、一応普通のカテゴリーに入れてもらえますが、英語を話すのが当たり前だった人が、その機能を失えば、生き甲斐を無くすのと同義です。また「庭師をやっていたのに、手先ではさみが・・」という人もいるかもしれません。外国語が話せることが、計算能力より大事な人の場合は、まずその機能回復に努めねばならず、2か国語を使うのが当たり前の人の場合、2つの言語を同時に理解(インプット)説明(アウトプット)出来る能力を回復させねばなりません。こうなると、まず1つの言語からするのか、それとも2言語併用状態が当たり前の状況に戻すのか、という考え方の時点でややこしいですね。またこの2か国語を併用する人が物を書くタイプの人だった場合、更にややこしくなります。

例えるとキリがありませんが、人の機能には正解はありませんから、回復基準が難しいですね。基本的に本人の満足だと思いますが、満足にどこまで医療保険が付き合うのかとなると更にややこしい所です。こう考えていくと、現段階で出来るベストの方法は、療法士につなぐ手前の段階~後天的な病気やケガが理由の場合(老化を含む)は看護師が療法士にうまくつなげるよう、本人の特技や性格を把握しておき、出来ればうまく機能回復できるような状態に持って行くことですね。つまり「いろいろな価値観の人がいる、それを理解する」ということです。学校教育も、まずそこからスタートしてほしいのですけどね。


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