医療費の抑制について

a0001_013728先日の朝日新聞に「医療費抑制あの手この手」という記事がありました。確かに最近時々見ますね。1年間医者いらずだと自治体から「ごほうび」でお金がもらえたりするパターン。またローソンは社員が健康診断を受けないとボーナスカット・・で受診率100%になったそうです。そして、何とこの手の方針が今年「国策」になるそうです。どういう法律になるんでしょうね。

これは一見いい話のようですが、行き過ぎると「病院にかかる人=悪い人」になってしまうのではないでしょうか。新聞では保険料の支払いがアンフェアになることの懸念をしていますが、「健康なのに、病人のお金を払っている!」と文句を言う時点で、国民皆保険の制度自体が否定されているようなものです。

日本では、医療については共生が基本ですから、稼げる健康な人がそうでない人を助けるという仕組みで当然なのです。その他の福祉も同じですね。だから福祉と呼ぶのですが、近年はこの方法がどんどん崩れ、すべてが経済論理に乗せられようとしています。問題なのは「すべてが金勘定」という発想は本当に国民の意思なのかということですね。

事の発端は、生活保護バッシング辺りではないでしょうか。元々生活保護は、前述したとおり、社会主義的な福祉、よくも悪くも「可愛そうな人たちにお金を分けよう」という制度なのです。実際20世紀に大きな問題になっていないのは、大半の人たちに余裕があったから、「人のお金で食べるなんて卑怯!」ではなく「かわいそう」だったのです。

こういう上から目線がいいのかどうかは別として、少なくとも苦情はあまりなかったのですね。しかし、最近は「自己責任~稼げないのが悪い」という考えが増えています。個人的に「何とかが出来ないのが悪い」という発想は、あまり好きではありません。誰でも人生何らかの形でつまづくことはあるでしょう。それなのに、その1回で社会から排除されるというのは知辛いことこの上ないと思うのです。『病院を遠ざける⇒気づいたら病気が悪化している⇒弱い人に手を貸すと自分が損をする=見捨てる』という寒々しい構図が見えるようです。

努力をして病院にかからないようにする、までは、まともです。しかし、それでも病気を得てしまったり、そのことで後遺症を持ってしまったときに助けが得られる、別の人生を歩む方法がある、というのがあるべき姿だと思うのです。先にあげた制度でいえば、検診の強化までは解ります。病気にならない努力をして結果を出した人を、それなりに褒めるのも解りますが、これは一歩間違えるとそうではない人は「人として格下」である、というのと同じです。

看護師をやっていれば解るはず、どれだけ努力をしたところで、病気を得てしまっている人がいること、昨日まで普通に暮らしていたのに事故に巻き込まれてしまった人が、大勢いることを。そもそも「老化」自体が病気の大きな原因です、老化は自分の努力で確かに部分的には回避できます。しかし、無理なものは無理なのです。

今回の記事にあるような単純な医療費抑制システムでは、ハンデがあるべくしてある人、不運な人を見捨てる方向につなげてしまうと思うのです。出産前検診の普及でダウン症の可能性がある胎児の中絶率がかなり高くなっているようですが、こういう世の中で、諦めてしまうの人が増えるのも当然でしょう。医療を受ける権利は誰にでもあるはずです。そして健康になる努力をする権利も誰にでもあるのです。予防医学に力を入れることと、病気になった人を排除することがイコールになってはいけません。

ところで、先のローソンの方法にも、やや疑問を感じるのです。というのは、職場健診というのは一律に行いますね?それこそ何か慢性疾患、もしくは後遺症や継続管理が必要なガンのような病気になってしまった人の場合、持病を管理するために定期検査を受けますね?つまり2重検査になる可能性があるのです。これこそ、医療費が減るだけの無駄です。個人データを自分で管理するレベルまで来ている世の中なのですから、個人で病院に行った時のデータを職場で管理しておくことは可能だと思います。

ただ、これも病気や通院=悪、となると、データの多い人にマイナス点がつくという問題はあります。病院にかかる人=悪、という構図を失くす方法は、先に書いたように「すべてが経済論理」から抜け出すことです。経済論理の社会でお金が減ってくる=危機を感じる=生活保護受給者を叩くという構図になっているんです。

お金があっても、誰も溝掃除をしなければ下水は外に溢れ出します。お金がなくても、出来る人がゴミを運べば綺麗な街になります。病気になった人は助けましょう。なりそうな人にはひと声かけましょう。そのうえで「元気な人を褒めましょう」だと思うのです。

最後に、現在千葉市では「スマホで健康ポイントを溜め、抽選でプレゼント」方式をしているそうです。スマホが無い人もいる、という点は気になりますが「抽選」はいいですね。世の中理不尽なものです。だから助け合うんじゃないですか。だから医療制度があり、人を助ける看護師がいるんです。誰もすべてを金勘定、救いのない世の中にしたいわけではないと思うのです。


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