医療トラブル時の検証

trouble鳥取養護学校の件ですが、一応おさらいをしておくと、養護学校勤務の看護師6名が保護者の態度に問題を感じ、一斉退職というニュースでした。

このニュースでは、保護者がモンスターペアレントだ、いやそうでもないという水掛け論が起きた様子ですね。一部報道によると「子供が死んでもいいんですか?」と言われたとのことですが、この手のことは部分的に取り上げて、いろいろ言われる傾向にあるので判断しづらいのですが、看護師はこれ以上の言葉をよくかけられるんではないでしょうか。

救急医師の役目は「罵倒されること」と言っていた医師がいますが、一理あると思うのです。病気というのは理不尽なもの、そこに対して人はおかしいと解っていつつも、文句を言いたくなる時はあるのです。しかし、例えば救急救命で助からず「なぜ死んじゃったんですか?殺したんですか??」と言われたとしても、本当に納得のいく処置をされていれば、そこまでこじれることもないのではないでしょうか。感情の綾というには、事態が重すぎますが、それだけに言った方も言われた方も、哀しみというベースを共有しているからこそ、最終的な対立は起きにくいと思うのです。

むしろ、こういうことを徹底して医療従事者が聞いてくれれば、哀しみの後には、感謝されることでしょう。この辺りが看護師や医師の難しい所ですね。少なくとも一般の職業より『罵詈雑言に耐えるハードルが高い』ことを要求されるのが医療従事者です。とはいえ、モノには限度があります。あまりにも誠意のない態度を取られれば、医療従事者と言えども腹は立ちます。つい買い言葉をぶつけることもあるでしょう。すると、感情的な対立が起き、文字通り顔も見たくないようになり、今回のように顔を見ないための実力行使が起きたりするのです。

今回の場合、哀しいことに、当事者である生徒が出てきません。意思表示が難しいのか、未成年なので巻き込むのがどうかと思われる立場なのか、いずれにしろ最大の被害者です。この生徒を主役にして起きた事件、生徒を思えばこそ、いい方向には行かなかったのが残念です。成長してから自分の病気のせいでこのような事件が起きていたと振り返れば、あまりいい気はしないでしょう。

このニュースに関連して心配になるのが在宅介護です。今回の事件は学校に医療機関が付いた特殊な状況での出来事です。おそらく特定の誰かが悪いというより、少しずつ全員のストレスが溜まっていった結果なのだと思いますが、在宅介護の世界はまさにそういう構図に近いものがあります。「当事者に発言能力がなく、誰が何をしているのか、どう責任があるのかよく解らない」という状況ですね。

今回の鳥取の案件も「具合が悪そうなのだから、もっと早く手を打て」ということがきっかけのようでした。このきっかけ自体には、ある程度正解不正解を付けることが出来るかもしれません。そのためには、やはり第3者が必要なのです。ややこしいことに、介護の場合は、家に入る看護師が第3者の役割を果たしますし、看護師もまた当事者であるという点ですね。しかし、ここで人を増やすとよく解らないことになりそうです。プライバシーの問題がありますが、在宅介護では室内カメラを付けておくというのも1つの手かもしれません。水掛け論化するのを手前で防ぐ効果はあると思われます。特定の人間がいつも何かに関わっている場合、マイナス方向に行くと歯止めが利かなくなることがあります。とはいえ、看護や介護は出来れば特定の人にやってほしいものでもあります。患者の側からすると、よほど相性の合わない人でなければ「いつもの人」というだけで、安心感が得られるのだと思います。

カメラを導入することで、特定の人が関わる状態と、衆人環視の目を共存させることが可能です。患者自身を離れ、問題の論点がずれ始めたときには有効ですし、責任の水掛け論もある程度は防げるでしょう。しかし、医療現場で特定の人間が責任を負うというのは、どうかと思います。

というのは、一歩踏み込む人間がいなくなるからです。水掛け論にうっかり口を出すと、自分のせいにされてしまうかも!と思えば、なるべく当事者になりたくはないでしょう。そして結局患者が置き去りになります。医療においては連帯責任、それ自体が監視の役目を果たすのではないでしょうか。

監視の目と言えば、今回の件がよく解らないのは、例により個人情報の壁があることです。確かに今回の事件で言えば、生徒が突き止められるようなことは避けるべきですが、ネット社会そしてマイナンバー導入となれば、ばれる所ではばれている気もしますね。この生徒さんが特定されているものとして、今後のケアをすることも大事でしょう。先に述べたカメラ設置の件は、個人情報云々において問題がありそうですが、医療現場で起きる事故は、もれなく個人的なこと、再発防止をするには、一般に知られない形で、何が起きたのかを知っておく必要はあるでしょう。どのように、医療現場で起きたトラブルを検証するのかは、これからも考え続けなければいけない課題です。


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