医療における情報開示

f72c6580acc2bc500a9185675fd3月の大きな医療ニュースと言えば「群馬大学病院、腹腔鏡手術失敗10人死亡」ですね。

これ、週刊誌などを読むと「群馬にははずれの先生がいる!」など、かなり井戸端レベルで元々そこそこ悪評があったらしく、何と言ったものやらですね。「あの先生、説明いい加減だし」「何か腕もねえ」「死んだ人いるらしいよ・・」というような会話は、総合病院の常連患者さんの間では、多分、かなり昔から定番としてあるんだと思います。そして、患者が他界してしまった場合は「不運」で片づけられ、あまり病院や医師に文句を言う、しかも表立っていうということは、殆どなかったのではないでしょうか。田舎の場合は、こういうことをしても得はしませんしね。そのような時代、このように「解りやすく腕のない先生」はどうなっていたのか、謎なんですが。

今でも世襲の開業医などではよく耳にしますね、「あの2代目、何か信用できない・・A病院のはいいねえ」という会話、地方在住者なら必ず耳にするでしょう。そういうフレンドリーさが、ちょっと腕の悪い医師を許してきた面と育ててきた面があるのでしょう。しかし、今はそういう時代ではありません。ましてや舞台は大学病院です。

おそらくこの医師の不評は随分前から流れていたのだと思いますが、第1外科、第2外科という大学病院、大規模総合病院のシステムの中でかき消されていたのではないでしょうか。群馬大学病院は外科外来は1つの窓口、入院病棟に第1外科、第2外科と2つの外科があり、中途半端にテリトリーが被っているにも関わらず、双方の情報交換は殆どない状態だったようです。これでは別の外科にいる医師が妙な話を聞いたところで「危うきに近寄らず」となるだけでしょう。

でも、こういう「プチ隠ぺい方法」はネット社会の今、もはや無理があると思うのです。今回の事件ももちろんいろいろな所に書き込みがされ、嘘と真実の区別が解らなくなっている状態、悪意がある人もいるかもしれませんが、多くは「伝言ゲームの間違い」のようなもので、つい話を盛りがちに書いてしまった・・と言うことが、どんどん続く方が多いのだと思います。これでは、群馬大学できちんとした医療行為をしていた医師や看護師は救われません。おそらく誹謗中傷を受けている人も既にいるでしょう。その結果、患者が行き場を失くすわけです。全てが大損です。こういうことを失くすためには、ある程度、コンスタントに情報開示をして第3者が判定するような仕組みがあるといいと思うのですが。

また、医療ミスなのか?というレベルのこと(ガーゼ交換を忘れていたなど)を、あれこれ探られる前に開示してしまった方がいいのではと思うのです。大問題になったときに、問題を整理できますし、何より定期に「自ら」が情報開示している以上、それ以上の確かな情報源はありません。噂の2次被害が防げます。これからの病院はいいことだけではなく、こういうミスがあった、手違いがあった、ということを発信してもいいと思います。また看護師が医師に口を出せない仕組みも、そろそろ変えた方がいいのではないでしょうか。最近珍しい「完全縦社会」が、情報を閉鎖する方へ向かわせているような気がするんです。ナースが先に書いたような発信をするのもいいと思います。

もう1点は、この群馬大学の医師、カルテの記載や手術の説明がめちゃくちゃであった、という何とも言えない人であったようですが、そういうことについても看護師が口を出してもいいような気がするのです。長く病棟に勤務している看護師の場合、「医師の癖」や「病院の慣習」を知っています。おかしいと思ったことに意義を申し立てられれば、かなり患者の利益になると思うのです。また、カルテの記載事項を患者自身が読めないのは、どういうことでしょうね。手術の説明も「大丈夫ですから」と言われたら「そんなもんかな」と病院に日頃縁がなかった人なら思うでしょう。カルテは本人が見て当然のものですし、手術説明やそれにまつわる書類は、きちんと説明してくれる人がいてもいいと思います。

一般人が手術同意書を見て「これが欠けています」と冷静に言えるパターンはあまりありません。手術説明や同意書を見る前に「必ず書かれていなければいけないこと」を看護師が指導するのもいいと思うのです。そしてカルテは、いつでも本人の請求があれば、閲覧できるようにしておき、疑問点を看護師などに聞けるというシステムがあってもいいですね。

腹腔鏡手術など、普通の人の場合、一生に一度あるかないかの出来事です。「こういう点だけは、しっかり確認してください。そこは担当医師に訊いてください」というフォローがあれば、インフォームドコンセントの大きな助けになりますし、医療ミス事件も減ります。この群馬大の医師も、そこで「問題医師」となり、病院側が把握できます。「やっぱり、ダメな医者だったね~」・・と言ったときには既に人が死んでいるのです。その背後にどれだけ哀しむ人、つらい思いをする人がいるのか、それを最小限にするために、病院という場所があるはずです。


応援クリックして下さると励みになります!
↓↓↓↓↓↓

看護師 ブログランキングへ

関連記事:オペ室

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

おすすめサービス一覧

常勤、非常勤、パート、派遣あらゆる看護師求人情報を無料で簡単条件検索し放題!!

お仕事をお探しの地域の最新求人情報を週2回配信する「ハローワークナース通信」
もちろん利用は無料です。

今、評判のよい看護師転職サイトってどこなの?⇒ 現役ナースがよく利用している看護師転職サイトをランキング

おすすめコーナー

ページ上部へ戻る
error: Content is protected !!