医療とデジタル化~医用画像転送サービスから考える~

4月、新人さんをたくさん採用した医療施設も多いのではないでしょうか。
病院内に健診施設を持つ病院では、「採用時健診」を病院内で行いますよね。私が初めて務めた病院でも、入職のオリエンテーションを済ませた後に採用時健診を受けました。右も左もわからないまま受ける検査はとっても新鮮だったのを今でも思い出します。
さて、先日キャノンマーケティングジャパンが、2016年4月15日から「医用画像転送ソリューション」をスタートすると発表しました。健診施設には気になるニュースですよね。

看護師と医用画像

エックス線画像、内視鏡画像、CT画像、MR画像など、看護師もこれらの画像を見る機会はありますよね。このような医用画像は、医師が診断をつけるのに重要な情報のひとつですし、看護師も見たりその管理を任されたりします。
最近は電子化が進み、パソコン上で画像を確認し、管理しているところも増えましたが、筆者は「レントゲン袋」と呼ばれる大きな茶封筒に、レントゲンやら心電図やらを詰めていました。
一方、巡回健診における健診車での撮影(胸部エックス線検査やバリウム検査が主)した医用画像は、フィルムに保存してから病院内で処理を行います。具体的には、放射線技師が、巡回健診から病院に戻ってくると、病院内でフィルムにし、一次読影をします。その後、医師が二次読影をした読影用紙をもとに、結果処理を行います。

最近ではフィルムレスの健診車も出てきたため、フィルムにせずLANケーブルでつなぎパソコン上に医用画像を転送しているところもあります。しかし、受診者さんの情報をマッチングさせるためなどの理由から、病院に戻ってきてから作業を行うことがほとんどです。
巡回健診は、早朝から行われるところも多い上、拠点病院からかなり距離があることも。
病院に戻ってくる頃にはへとへとですが、そこから処理をしなければいけないのはつらいですよね。ましてや、数日間に渡る巡回健診では、数日分の処理を行わなければいけないので負担はさらに大きくなります。
そして、時間がかかればかかるほど、結果が受診者さんの手に渡る日は遠のきます。
私も巡回健診の結果処理をしながら「あー、あとはバリウムの読影結果だけなのに」などと思うことがありましたし、健康診断の結果によっては早めに返したい場合もあるので、結果は早く見たいですよね。

医用画像転送ソリューションってどんなもの?

しかし、今回キャノンマーケティングジャパンがスタートする医用画像転送ソリューションは、こういった病院外で撮影された医用画像をモバイル通信網で電送できるので、このような手間を省くことができそうです。
また、巡回健診だけではなく、在宅医療や災害医療でも応用できるので、移動時間や現像時間を気にすることなく読影ができます。
デジタル化の問題のひとつに「セキュリティー」がありますが、高度なセキュリティー環境を整えており、情報漏洩の対策も施されているそうです。
また、撮影画像を最短7秒で電送できると報道されていました。1枚7秒なのか、どの程度の容量で7秒なのかはわかりませんが、どんなに離れていても数秒で画像が見られるのは良いですよね。
加えて、LTEモデムの電波状況から送受信の可否を診断する「電送パフォーマンス計測ツール」や、電送済みかどうかを確認できる「電送確認チェック機能」もついているそうです。
つまり、通信障害や人的な電送ミスなどを予防してくれるということですね。
このサービス、報道の中で価格は出ていませんでしたが、データ容量に限らず定額で、通信は24時間可能だそうです。巡回健診がどんなに早朝でも、遅い時間でも大丈夫ということですね。

科学の進歩と医療

医療の世界において、このようなデジタル化、機械化は進む一方です。今の病院はほとんどが電子カルテですし、MRやCT、PET検査などの撮影機械、胃カメラなどの内視鏡検査も日々改良されています。
患者さんや受診者さんの苦痛が少なく、より安全に詳しく検査することできればこの上ないですよね。
しかし、同時にデジタル化ならではの、機械トラブルの問題やお金の問題も浮上します。
例えば、「パソコンでデータを飛ばしたはずなのに飛んでいない!」などのトラブルはよくあること。
私も病院がフィルムレスに移行した直後にパソコンで医用画像が見られなくなり、結局その日はフィルムで運用するということもありました。
また、良い機械というのはお金がかかりますから、導入できる病院とできない病院に分かれます。そして、機械を一度導入すると、もちろん維持費や万が一の修理費、そのための保険などでコストがかかります。
病院の格差は、患者さんの格差になりますよね。また、病院を経営するために「儲け」主義になってしまうところもあります。
進歩することは良いのですが、こういう問題には考えさせられます。

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