助産師問題についての徒然

ganka最近「助産師の権限拡大」の報道を目にすることが多いです。

厚労省としては「お産のための産科医がが減らせる、それにより医療費削減も可能になり、少子化対策につながる」という方向で推進したい意向という主旨。逆に反対派は 「医療費を安く抑えるための、助産師の増加、および権限の巨大化」が「過剰な自然分娩信仰=医療事故の増大」につながる、つまり「安易な助産師拡大は危険を多く伴う」という言い分なんですね。

助産師になるには2006年からは「必ず看護師資格を持つこと」が義務付けられています。つまり看護師と助産師はそれまで別ラインに近かったのが、産科の医療現場では「階級制」に近い状態になってしまったのですね。そして助産師の権限を増やしたオランダでは産科医管理の元で行われた出産と、助産師管理の元で行われた出産の場合、助産師管理の方が周産期の乳児死亡率が2倍以上高くなるというデータもあるのです。ただし「高リスク妊婦の場合」の話です。つまり「助産師拡大の問題」には、医者と看護師、助産師の権限の問題と、お産のあり方の問題がすべて混ざっているわけです。

この手の話をややこしくするのは「お産は昔産婆がやっていた」に代表される、オーガニック好き発言みたいな情緒語りをされてしまう所です。しかし、この考えも正常分娩においては当然ありだとも思うんです。問題は、現代のお産は医療の1つに組み込まれており、基本的に失敗は許されないという点にあります。この考えに基づいて産科があるわけですよね。そして産科のシステムとして、産科医の元、助産師と看護師が配下につき、お産という「治療」をやり遂げる、というのが、基本的な現代のお産のあり方の訳です。

ここまで話を整理すると、2つの問題が出てきます。
1つは「お産、もしくは病気にどの程度医療が介在すればよいのか」
2つめは「医療現場のヒエラルキー、権限問題」です。

まず1を考えましょう。医療をどの程度利用するのかは、選択自体はっきり言って個人の自由ですね。ややこしいのは、最終的にトラブルが出てきたときにフォローするのが最後に「その人」を診た病院になります。そこで医療責任問題とかになっちゃうわけです。

これを解決するには、双方のやり取りを管理するくらいしかないような気もします。
医療を受けないのも個人の自由ですからね。かかる側のの当事者意識の啓発について、どんどん医療現場から発信していくしかないと思います。
お産については「自然分娩&ナチュラル志向」のリスクはしっかり知ってもらう必要がありますね。医療と関わる自己責任は患者も気に留めておく必要があると思うんです。

問題は2点目、これについては考え方が2つあります。産科医をもっと増やして以前の産科医療の状態に近づけること、もう1つは実際に産科については「看護師、助産師」の権限を大きくすること、つまり医師に近いスペシャリストという地位になってもいいような気はするのです。先の問題が出てきた理由の1つに「助産師は臨床経験を積まずに資格が得られる」ことがあります。助産師資格を根本から変える、また産科を担当する看護師は「助産師限定」にするなど、システム自体を変えてしまえばいいとも思うのですけどね。

これだと看護師免許が活かせる現場が減るという声もあるかもしれません。でも実際、看護師はスペシャリストを養成する流れになっていますよね。専門職の看護師を増やすことを考えてもいいと思うんです。お産に代表されるように「自然万歳」の考え方から高度生殖医療まで、産科だけでも昔に比べ、医療が考えなければいけないテーマは、激増しているんです。医師不足というなら、そこを違う方法で補う手を考えるのもありだと思うのです。

これを実行するには医師の立ち位置をはっきりさせる必要がありますね。お産を含む医療はチームプレーですから役割をはっきりさせないと、現場が回りません。この考え方だと医師は「最終責任を取る立場」であればいいのです。そして医師は専門分野に特化するだけではなく「総合診療医」に近いポジションの人間を育成すべきです。産科医療になぜ医師が必要なのかというと「産科」というジャンルに限定されない高度な医療知識と技術を持っているからです。

ここまで本気で大改革をすると先に書いた「医療の介在」もまた意味が違ってくるかもしれません。冷静に考えたら、看護師が出せない薬を個人がネットで輸入代行で買うような時代です。「助産師ごときの権限が大きい」という論調ではなく、「助産師や看護師をもっと高い位置にあげてもいいのではないか」という論調が出てくる方が自然ですよね。

ちなみに、この方向の話は東京都の舛添知事が提言しているよう、今後の推移を見守っていきたいテーマですね。


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