他人との関わりと介護

image188最近、某週刊誌に連載されている介護マンガ「ヘルプマン!」がお気に入りです。単行本にもなっているようですが。この漫画はとにかく「介護あるある」が多い上に、そこに「やっぱり介護って楽しいね」という、うさん臭さが付け足されていないのです。

介護の広告や経験者の話というのは、時に何となく小綺麗だったり、美化されたりしがち、いくら認知症のことが頭で解っていても、対人関係ですから、ストレスが一定量を超えたら、爆発=罵詈雑言になるのが普通でしょう。そんな部分をきめ細やかに書いている漫画なんですね。また認知症の人から見た視点が入っているのもポイントです。周囲の刺すような視線と、今後どんどんそうなっていくことの恐怖・・を振り払おうとして、また記憶にない行動を取ってしまうというようなシーンが大変リアルです。マンガですので、どうしてもオチだけは、やや綺麗な感じになってしまうのですが。

さて、この漫画の今の連載内容は「介護の臭いに慣れない若造」が主人公、さてどうなりますやら。ですが、この主人公はおそらく「排泄物」の臭いに耐えられないという設定です。でも世の中には、いわゆる「高齢者の香り」自体が嫌!という人もいますよね。高齢者のみが住んでいる家というのは「じいちゃん、ばあちゃんの香り」というものが何となくありますよね。慣れた人には懐かしい香りです。しかし慣れていない人や、高齢者と接する機会が無い人が、ここに違和感を持っても仕方がないでしょう。

例えば子供を持たない、あまり関わりの無い生活をしている人が、乳幼児がいる家に行き、散らかりぶりや、ミルクの香りに帰りたくなってしまうこともあるのと同じです。そもそも他人の家の臭いが嫌で、人の家に行きたくない人もいます。文字にすれば「我慢しましょう」で済む話で、「ちょっと人の家を訪問」であれば我慢を強いてもいいかもしれません。しかし介護は24時間「生理的に絶対受け付けない香り」の中にいる羽目になることもあるのです。しかも「臭いが嫌」とは言えませんし、排せつ物はまだしも「漠然とした香り」が生理的にどうしても耐えられない、というのは、何となく人には言いづらいものです。それに耐えられる人にとっては「我慢できるでしょ」ということになってしまいますからね。

また逆に介護される方も、介護者の香りや、施設や在宅介護のインテリアの雰囲気が合わないという人も多いと思います。これも「我がまま」といえば、それまでですが、しかし普通の人は自分で自由に動けますし、生活上で気に入らない点を解決出来ます。100%満足が行く結果が出なくても「やるだけやった」という事実で達成感を味わえる=住めば都となっていく可能性は大きいですよね。しかし、介護される側は、認知症の場合、自分の意思が通じない、そうでない場合は遠慮をする、または何か合わないと思いつつ、具体的に何を変えてほしいのかは自分でも解らないということになりがちです。

こういうことは、人の価値観の落としどころの問題なので、介護制度で解決しようがありません。一般的に排泄物の臭いは歓迎されないので、各種消臭剤が多く売り出されていますが、その薬剤の香り自体が苦手、手で触れたらかぶれた、という面倒が起きないとも言えないのです。

こういったことを解決する方法は「素直な対話」しかないように思います。どうしても「臭いがダメ」という人の場合でも、あれこれきちんと話すだけで、自分の中で「相手にわかってもらえた、この辺までなら妥協が出来るかも」ということになる可能性はあります。何とかがダメ、という話をし続けていたら、誰も引き受け手がない、というのは町内会運営などでよく聞く話ですが、「出来ないことから逃げる」という代わりに「出来ることをやる」でよいのではないでしょうか。

また排泄物処理を全員いやだという・・自分が引き受けた・・なんか損だ、という感じはよくあることですが、自分の行動に対してあまり「損得」を考えない方がいいように思うのです。もちろん極端な偏りや嫌がらせ的な行動~ブラック企業的な事情は別ですよ。しかしギブ&テイクはいつも釣り合っているとは限りません。「私ばっかりやらされて」ということは必ず出てくるものです。これを損と思うか「こういうことが出来る」と思うかで違うと思うのです。

時々聞く話として「外食のときに、お金を払っているのだから、ごちそうさまとは言わない」というものがありますよね。典型的な損得勘定の引用です。そうではなく、お金があろうとなかろうと、お店を出し、そこで働く人たちがきちんとした仕事をしてくれなければ、楽しい食事の時間はないわけですよ。ですから「ごちそうさま」なんです。

面白いことに損得勘定で生きる人って、あまり感謝をされないような気がします。感謝というのは、損得とは最も遠いことですからね。人生・・お金だけが基準になっていた、というのは、何となく物悲しいもの、人生の終わりには色々な人の顔が思い浮かぶといいですね。

介護1つ取ってみても、これだけ思うことはあるのです。他人の生き方と関わること、それ自体が大きな財産になっていくのですね。


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