仕事と健康のバランス~がん患者の転職率から見えてくること~

転職(サラリーマン)
春の季節ですね。各地で入学式や入社式が行われ、新生活をスタートさせるフレッシュな若者の姿を見かけます。

真新しいスーツに身をまとった若者たちが、期待と希望を胸にきらきらと話している様子を見て、私も懐かしい気持ちになりました。
おそらく、誰しもそんな新鮮な気持ちにさせられるのではないでしょうか。これも「春」の醍醐味のひとつなのかもしれませんね。

看護師にとっての春

先輩看護師としては、新人指導や委員会などの新しい役割と環境の変化にブルーな気持ちもあるでしょう。
「今年の新人はどんな子だろう」みなさん、気になりますよね。
新人看護師なら、「はじめての職場はどんなところだろう」「素敵なナースになりたいな」と心を躍らせているかもしれませんね。
看護師の資格は一生ものです。
今のところは、定期的に更新する制度はありません。
厚生労働省では、今後定期的な免許の更新制度を定める予定だそうですが、今は一度看護師免許をとったらその後の手続きは不要です(名前が変わるときなどを除いては)。
「手に職をつける」という意味でも、看護の道を選ぶ人は少なくありませんよね。
一方、職場に関しては、今のところ比較的選びやすい職業です。医療や看護はいつの世も必要とされますし、分野が多岐にわたるので、自分に合ったものを見つけやすいです。
ライフスタイルが変わりやすい女性にとって、こういった背景は強い味方だと思います。
新しく何かを始める春、就職や転職をする看護師も多いでしょう。

がん患者と仕事

さて、先日三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調べによる、興味深い報道がありました。
「がんが見つかってから転職をしたのは全体の14.0%で、そのうち正社員から非正規社員になった人が43.8%だった」というものです。
この調査は、65歳以下の男女を対象にインターネットで実施し978人から回答を得られたものです。がんが見つかってから、転職をする人は10人に1人以上いるということになりますよね。
この報道をぱっと見たとき、筆者は「もっといるんじゃないかな」と思いました。
病棟では病気を理由に仕事を辞められる患者さんがもっと多かったような気がしたからです。しかし、よくよく考えてみると、仕事を辞めても退院して就職しなおすのが転職であって、辞めるだけではないですからね。
ましてや、そのまま亡くなってしまった場合は数に含まれません。
ですので、仕事を辞められる人の割合はもっと多くなるとは思いますが、転職となるとこの程度ということでしょう。
一方、転職理由の項目で多かったのは「体力面で就労継続が困難(24.8%)」と「両立制度の不備(11.7%)」と発表されていました。

今は短期入院、外来治療が一般的ですから、体力不足だけではなく、通院のことも考慮してのことだと思います。
病院は平日のみ開院しているところも多く、通院には仕事を休まなければいけません。入院による休みや通院のための休みは、職場によって制度が違います。
また、治療や入院で体力は落ちますから、以前と同じように働くのは難しいのかもしれませんね。

一番良いのは職場がちゃんと理解をし、部署移動や仕事内容の調整などをしてくれることです。しかしながら、すべての職場で理解が得られていないのが現状。
経営者も管理者もその身になってみればわかるのでしょうが、他人の理解とは本人が経験したことでなければ得られにくいものです。また、経営やお金のことが絡んでくると、シビアな判断になりがちです。

体も生活もどっちも大事

この調査の中でがんが見つかったと一言にいっても、部位や進行度によって予後は全く違いますから、何とも言えないところはあります。しかし、この調査から見えてくることは日本の社会、職場の制度は、まだまだ弱者に厳しいという側面があるということです。
ライフワークバランスなどと言われていますが、ライフとヘルスのバランスも大切です。
体あっての仕事ですが、仕事、つまり収入がなければ健康は維持できません。
特にがんはお金のかかる病気です。治療費、入院費、通院費、ものによっては手術費もかかります。そして、長期戦ですから、じわじわと家計を圧迫します。
看護師として働いていると、この針一本○円、この薬一回○万円と、コスト面を考えること、ありますよね。しかし、患者さんがお金をどのくらい払うのかということに関しては、特室料金や特別な治療を除いては、意識することは少ないのではないでしょうか。
そればかりか、患者さんからのお金の相談は極力聞きたくないというのが本音です。

患者さんの退院後の生活については、病院設置の地域医療相談室にお任せしているというところも多いです。そのため、一般病棟や外来ではこういった相談を聞くケースは少ないでしょう。患者さんが退院後に不安を抱えているようなら、地域医療相談室と連携をとってやっていくという流れが一般的だと思います。

それでは、病棟や外来勤務の看護師に何ができるのか。
それは、治療の補助と正しい知識の普及なのではないでしょうか。当たり前かもしれませんが、これしかありません。
患者さんが退院後、どのような生活を送るのかということに関しては、ある程度予測して退院時の指導を行います。
しかし、仕事やお金など、一見医療に関係ないことについては介入しません。なぜなら、看護師にはどうしようもないからです。
また、介入されたくないと思っている人も多い非常にプライベートなことです。
ただ、看護師として不安を解消するための手助けはできるので、そのことは伝えておきましょう。それは連携だったり、身体的なことに関する相談だったり、れっきとした看護師の仕事です。患者さんの職場の制度を変えることはできませんが、ちゃんとできることはあります。今回の報道を見て、「できることをやろう」そう思いました。


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