介護疲れとその背景~家族がたどる心理とは~

介護先日、東京葛飾区の住宅で車椅子の61歳の男性が死亡した事件がありました。死因は焼死で、58歳男性の弟が関与をほのめかしているそうです。
最近こういったニュースはよく耳にしますよね。特に目立つワードは、老老介護、介護疲れ、認知症、脳疾患後の後遺症などです。
看護師として働いていると、介護の大変さは身に染みてわかります。しかし、自宅での介護となると大部分は家族に任せられます。その苦労はたやすく想像できますよね。

介護の背景

このような背景には何があるのでしょうか。

介護の現状
☆特別養護老人ホームはあふれており、入居が困難な状況。
☆国は在宅介護を勧めています。
☆厚生労働省による2013年の国民生活基礎調査では、老老介護世帯の割合が51.2%。

特別養護老人ホームは、全国におよそ7752か所ありますが、入居している高齢者が全国で約47万人いるのに対して、入居待機者は約40万人といわれています。
入居の必要があるかは別として、入居を希望している人の半数近くが入居できない状況ということです。
入りたくても入れない人は、自宅での在宅介護となりますよね。
看護師として医療機関に勤めていても、短期入院、早期退院の傾向はわかりますし、介護が必要な方に関しては地域医療連携室を介して医療社会福祉士やケアマネジャーが介入します。
「この人、自宅に帰るんだ・・・」という患者さんをよく見かけるのも事実です。

そして、国は介護報酬を2015年にそれまでより2.27%下げました。これはどういうことかというと、介護サービスが下がるということです。
つまり、介護は在宅中心で行っていこうという方針です。

一方、国民生活基礎調査によると、介護が必要な方のうち老老介護世帯は半数を超えたと発表しています。
健康で働き盛りの看護師や介護士でも、腰を痛めたり、肉体労働がつらいという方はたくさんいらっしゃいます。
それを高齢者が行うのですから、その負担は計り知れません。当然、はじめのうちはボディメカニクスという概念も知らないでしょうし、介護に関する知識も少ないところからのスタートです。
身体的にきついだけではなく、不安も大きいですよね。
一方、高齢者や障がい者の日常生活を支援することを生業としている介護職員はどうかというと、足りてないのが現状です。こちら(2025年問題の記事)で2025年問題の中で看護師不足の課題を取り上げましたが、介護職員の不足も問題となっています。厚生労働省の調査によると、2025年までに必要な介護職員は約250万人ですが、このままいくと2025年までに約30万人不足するといわれています。また、今の介護職員の給与は一般的に低く、重労働に見合わないと思われる方も少なくありません。

家族

家族の心理

このような背景の中、自分の家族に介護が必要になったときどう思うのでしょうか。
川崎幸クリニックの院長は、認知症介護をする家族は
ステップ1「とまどい・否認」
ステップ2「混乱・怒り・拒絶」
ステップ3「割り切り、あきらめ」
ステップ4「人間的、人格的理解」
という4つのステップを踏むとおっしゃっています。
これらは認知症家族の介護だけではなく、その他の理由で介護が必要となった方の家族にも適応されるでしょう。
ステップ1「とまどい・否認」では、こんなはずはないと思うこと。キューブラーロスの死ぬ瞬間でも最初のステップは、「否認」でしたよね。何か今まで経験したことのない壁にぶちあたったとき、人は戸惑いそれを認めようとしません。介護においても同様です。「家族がまさか認知症だなんて、そんなはずはない」「自宅で介護するなんて考えられない」こう思うことがステップ1「とまどい・否認」です。

次に混乱や怒り、拒絶となります。(ちなみにキューブラーロスにおいても、否認の次は怒りですね。)
「なぜこうなってしまったんだろう」「どうしてだろう」「なんで私なの」「こんなの嫌」こういった感情がステップ2「混乱・怒り・拒絶」といった感情です。

そのあと、ステップ3やステップ4を経て、徐々に受容していきます。だんだんと「こういうものなんだなぁ」と思うようになり、尊厳を持って介護ができるということです。
しかし、これらはあくまで目安。実際には進んだり戻ったりしながら心理は右往左往し、あらゆる感情が生まれます。

また、これらの心理ステップを踏めず、うつ状態に陥ってしまう方もいらっしゃいます。
家族の介護自体がどうしても受け入れられなかったり、本来安らげる場所の自宅が嫌になってしまい休める場所がない、介護のために仕事を辞めることになり経済的に厳しい状態が続くなどが挙げられます。
誰かに相談できれば良いのですが、相談もできずつぶれてしまう方もいるでしょう。そういった方々の助けになる相談窓口や家族の会はたくさんあります。この社会で生きていくため、そして看護師としてそれらは知識として持っておきたいですね。
今回のような殺人事件からその背景にある日本の介護情勢を考えると、非常に厳しい時代に思います。


応援クリックして下さると励みになります!
↓↓↓↓↓↓

看護師 ブログランキングへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

おすすめサービス一覧

常勤、非常勤、パート、派遣あらゆる看護師求人情報を無料で簡単条件検索し放題!!

お仕事をお探しの地域の最新求人情報を週2回配信する「ハローワークナース通信」
もちろん利用は無料です。

今、評判のよい看護師転職サイトってどこなの?⇒ 現役ナースがよく利用している看護師転職サイトをランキング

おすすめコーナー

ページ上部へ戻る
error: Content is protected !!