介護と家族支援看護師

kazokusien個人的な意見ですが、患者になったり介護をしている家の家族を見ていると、病気というものが家の中に入ってきた時って、どんどん家族関係がこじれていくことが多いように思います。

介護ドキュメンタリーなどでは「疲弊する介護者」という単純な構図ですが、実際には当事者と介護者2人きりという家族ばかりでもありません。介護にかかりっきりの母親に、無意識の反抗心を持つ子供がいて、忙しい時ほど、面倒なことを持ちかける、親子関係がまずくなる、そしてそういう空気を避けたい父親は、仕事などいろいろなこじつけを作り、何となく家庭から遠ざかるようにする、家族の空気は完全に崩壊・・なんていう展開は、珍しくもないのでは。

病気のような、ネガティブなことが家の中に入ってくることで怖いのは、このように少しずつ全員をむしばんでいくことです。そして1番負担のかかった人間が精神疾患にかかるということも、これまた珍しくはありません。「楽しいおうち」の図が一瞬にして消えていく時です。介護のサポートは、ただ物理的に手助けをするだけではなく、病気などで崩れかけた家のバランスを、保つ人が必要なのです。ついては2008年に専門看護師として「家族支援看護師」というのが出来ました。今現在、上のようなケースにどう絡むのか、具体的な話が見えづらいのが、やや残念なところですね。

病気にしろ介護にしろ、ある家族に何かの負荷がかかり過ぎたときには、第3者の関与が必要です。介護の場合は、とりあえず物理的負担のかかる人の軽減をするべきです。しかし、ややこしいのは世の中「物理的負担」を助けてもらって、感謝する性格の人ばかりでもないということ。時々ありますよね、席を譲ったお年寄りにつれなくされる話、また病棟勤務の皆さん、人間関係が濃いのでいろいろな人に会うと思いますが、仕事を全うしないと気が済まないタイプの同僚、そして1人過剰に忙しくなり周囲に逆切れするタイプの人、いますよね。

しかし、本当にストレスが身の丈にあった状態なら、周囲の空気がまずくなるような事態にはなってないのです。余裕のない人が出来ると、その場の空気はまずくなり、チームや家族といった集団のストレスが増大していくんです。うまく、そのことに気付いてもらう必要があります。ですから、家族支援看護師に必要な能力は、チームプレーになっている状態を見て、誰がどういう役割をしているのか、もしくは誰が足りていないのか、を、見極められる能力です。

悪循環というのは、バランスの問題の悪さからやってきます。何を引き、何を足すのか、そして具体的にはどうすればいいのか、そこが肝要ですね。難しいのは、看護師という立場から見ると「病人が過ごしやすい環境」と言う目標になりますが、家族にとっては違う可能性もあるということ、家族は全員が主役です。病人にも「家族の一員」として負担を強いることもあるかもしれませんし、また当人にとってもそれで気が引けずに済むこともあるのです。

基本的に「病気」や病人を主軸に据えてみるのが仕事である医療従事者の場合、ややいつもの視点を変える必要があるでしょう。また上のように、家族が元々何らかの形である場合と、最近多い無縁社会の場合はまた話が違います。家族がいなくても、人徳があり大勢の人に慕われているタイプの人と、地域社会から完全に孤立している人とでも違ってきますね。更に戸籍上はスタンダードな家族なのに、実態がよく解らないケースというのもあります。病人の置かれている状況の種類が、非常に多いのです。従来の家族であれば、親子、兄弟~サザエさんに例えていうと、なんて言う物差しがありましたが、それが通用しないケースも多いのです。

基本的には、無理やりにでも血縁者を引っ張ってくるのが現在のやり方ですが、それが正しいのかどうか、微妙なところですね。「家族」という形態が無い場合にどうするのかも、家族支援看護師の大きな仕事になってきます。

ところで、この家族支援看護師という専門看護師の立場、大学院卒でないとなれません。+実務経験に、認定試験です。医師より、ずっと学問に秀でたタイプも多いのではないでしょうか。また病院という場所自体、比較的コンサバな階級社会、高卒メインの看護師ワールドの中に、専門看護師が入るというのは、それ自体が、なかなかバランスを欠きそうなことではあります。

看護師の世界も、色々なポジションがあって当たり前の世界になってほしいのと同時に、臨床現場の経験を積んできた中で、事実上、家族支援看護師と呼んでもいいくらいの人もいると思うのです。あまり「何とか認定」の数を増やすのではなく、実際の役割を果たせる人やいろいろな看護師チームが存在するのがベストです。

そもそも家族支援看護師は2013年9月時点で21人とのこと、探し出すのが難しい状況です。看護師も様々な専門を選べるようになりました。各専門自体は「こういう視点があったのか」という発見にはなりますが、その地位そのものに捉われるのではなく、どうしたら患者さんが幸せになれるのか、そのために必要なことは何なのか、と考えてください。

夜勤のナースコールボードを横にこれを読んでくださっている看護師さん、あなたがいるからゆっくり寝られる患者さんが、たくさんいるのです。


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