予防医学の今後

igaku1先日見た医療系のニュースは新聞に載っていた「カリウムを4割減らしたメロン作りに成功した農家」と「町のデザインを医療的見地から考える」話の2本です。(サザエさんの予告のようですね(笑))

どちらも、健康的な生活という概念を、科学技術でかなり大きく改革しようとしているところが凄いですね。後者の「町のデザイン」については、歩きたくなる街を作る~足元やトイレの位置から、街角のテイクアウト品まで、という発想の話です。

高齢になると、足元が悪い場所は歩きづらくなり、家にいる割合が増えたり、更にはシモ関係のトラブルが増えますね。尿漏れから便漏れ、ストーマを付けているというようなことから、トイレが近いなど、こういった事情で人中に出ない人は割りといるものです。最近は紙おむつが市民権を得てきているようですが。

テイクアウト品や外食メニューもしかり、高カロリーなものしかなかったり、おなかが不安・・で、やはり外に出るのが不安なので、というようなことが、高齢の人中心に割と起きるものです。解りやすい所では、下戸はなかなか夜の街に出にくいですね(個人的に私も下戸ですが、我が道を行くと決めて、飲み会でお茶とジュースを楽しんでおります。)しかし、仕事がらみの場合など、参加した以上アルコールを断ると失礼になり、最初からこじつけの言い訳をして不参加にしておく方が楽という場合も、多くありますね。また、胃腸の弱い人や健康不安のある人には、酒のつまみ系もなかなか苦しい所ですね。油や塩分の多いものが結構ありますからね。今までは、こういうことはあきらめなくてはいけない、それが当然である、と思われていたのですが、やや考え方が変わったようです。

そもそも「酒が飲める、高カロリー」を「健康な人の」基準にしておいていいのか?という疑問もあったでしょう。また町というのは利便性一辺倒、例えば、買い物がしやすい、病院に行きやすいなど、健康な人が楽しめるか、また何かが起きたときの対応が重視され、病気予防という観点は見落とされています。

医療的見地から見た街づくりは、そんな予防医学の発想の延長から出てきたようです。確かに、予防というのは「さあ、やりましょう」で行うのが、なかなか難しいですよね。肥満が遺伝するというのは、肥満になる食生活をする習慣のある家で育つから、というのはよく言われることですが、理想的な食事を取っている家は確かに病気の確率は低いでしょう。規則正しい生活や、人との付き合い方もそうですね。おそらく「ある程度の家」というのは、自然にこういったことが継承されるため、そうでない家で育つ場合の子供との「教育格差」が取り上げられるのだと思います。とすれば、地域で生活習慣を補てんするというのは、なかなかいいアイディアです。

しかし、ふと心配も頭をよぎります。時々、歴史的建造物に過剰なバリアフリーがしてある場所がありますが、これはおかしいと思うのです。歴史的価値があるものは、人が来てくれることが主題ではなく、歴史的価値が守られることに意義があるのです。予防医学の発展が当たり前になると「人に優しい状況」が当然のことになり、そうでない場所や状況を過剰に非難することになりかねません。今でもレストランを子供や障がい者が利用すること、というテーマは賛否両論になりますよね。結論から言いますと、レストランの場合は、レジャー的要素もありますし、経営する側の方針でいいのでは、と思います。こういうことを言っていると、心臓疾患の人が乗れるジェットコースターなど、どんどんおかしな方に行ってしまう心配が出てきます。

ジェットコースターなど、乗れない場合は、乗りたくても諦める!という考えも、人が生きる中では必要です。とはいえ、この線引きは難しいのですよねえ。夜の会合=酒が付くのは当たり前、という基準も変と言えば変ですし(ノンアル中心な夜中営業の店も増えつつあるようですが)線引きの基準は「甘え」になるかどうかでしょう。
バリアだらけの遺跡を改造してまでも、そこに行きたいというのは、わがままのエリアですね。こういう話は一歩間違うと、弱者攻撃になる分、難しい面があります。

「カリウムが少ないメロン」は、透析患者さんにカリウムの多い果物を食べてほしい、ということから開発されたようですし、糖尿病などのメニューもかなりおいしそうになってきていますよね。食べることは、人の何よりの楽しみ、「まさかのメロン」を食べられれば、透析患者さんの調子も上向きになるでしょう。

またこういう方向の農作物を作ることで、他の農産物と差別化を図り、売り上げを伸ばすというのも、農家の立派な戦略、つまり、他人が口を出すことではありません。
しかし「病気で出来なくなったこと」をすべて取り返すことは、その延長に「健康こそすべて」という価値観がある気がして、そこに不自然さを感じてしまうのです。
と同時に「弱者の権利」という言葉が過剰に使われるときに感じる違和感があります。

予防医学がどんどん進んでくるのはいいのですが、すべての人を完全な形で救えるわけでもありません。「何かが出来ないこと」を自他ともにあまりマイナスに捉えない感覚を失ってほしくはないものです。


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