インフォームドコンセントの重要性

ope_2少し前の話になりますが、大阪大病院で脳死と判定された子供の移植手術のニュースがありましたね。この問題がややこしくなったのは「海外からの補助心臓が使えれば助かったはず」というデバイスラグと言われる問題と、その点についての経過が、途中から伏せられてしまったことです。(ネットに載っていたものが削除されたとか)

更に問題なのはこの件について、当事者がきちんと話をしようとすれば、当然ある程度身元を明かすことになります。現在の臓器提供では提供者の名前は原則明かせないことになっています。このような数々の疑問を置き去りにしたまま、特に後追い報道もなく問題自体が忘れられているように思います。必ずまた同じパターンのニュースが出てくるように思うのですが・・・。海外からの補助心臓を使えたはず、という点については何とも言いかねますね。

このケースの場合、明らかに使えたもののはずが、日本の医療制度により導入できなかったという色合いが強く、確かにこういう場合だと「使えば良かったじゃん!」と言いたくはなります。しかし、これが高齢の人だった場合、また確実性が低かった場合、「そこまでしてやらなくても」という空気が漂ったのではないかと思うのです。デバイスラグは「日本のシステム運用がとろい」のか「満を持しているのか」解らない所が多いです。そういう点を誰にでも解るように解説してほしいものだと思うのですけどね。

もし、何かを輸入して失敗した場合「無認可の物を使うから」ということにもなりかねません。この手のことが高じて、責任問題という話が大きくなり「リスクを背負う治療を誰もやりたがらない」ということは、最近よくあることです。そして患者の人生のための治療ではなく、医師が「私はこのように正しい治療を行いました」という方が優先されてしまうのです。この点に正解はありません。極端な例でない限り、どのような治療を行うかは、絶えず医師の判断と患者の希望とのせめぎ合いになると思うからです。

臓器移植関連のニュースが何となくはっきりしないまま終わる理由は、「情に流されやすい報道をされる」点です。「かわいそう、ひどいね。残念だね。」と患者の肩を持たれる、その結果、デバイスラグ問題がすぐに忘れられてしまうようでは、臓器提供をして、デバイスラグへの疑問を敢えて外に投げかけたご家族が浮かばれません。

そもそも臓器提供も(子供の場合は特に)正解のない医療行為の1つです。倫理的な問題が完全にクリアされたわけでもありません。デバイスラグも同じです。ルールを無視してでもやるべきだったのかどうか、に正解はありません。しかし、現代の医療行為において基本的にベストなのは「患者や家族が望む治療」だとは思うのです。そういう意味では、今回は海外の補助心臓はすぐに取り入れるべきだったでしょう。その結果がマイナスであっても、このご家族は納得されるような気がします。

しかし、そういうケースばかりではありません。望んだ治療を受けても結果が悪ければ「あんたが悪い」となるのが医療です。救急救命医の仕事は「家族からの罵声に耐えること」と聞いたことがあります。したがって、こういうケースでのやり取りが消されてしまったのは非常に残念です。

ロジックだけで進む世界ではないからこそ、リアルなやり取りを普段から見聞きしておくこと、自分ならどうするだろう、と医療を受ける側が自問自答することは大変大事だと思うのです。というのも医療の進歩が速く、患者の選択肢がどんどん増えているからです。そして今回のように、海外からの補助心臓の導入&子供の臓器移植というWの問題を抱えたようなケースもどんどん出てきます。これに対応しようと思えば、患者自身も医療について考える、そして医療を施す側と対等にやり取りをする、インフォームドコンセントをとことんやりきることです。

今回の場合、患者側の意思がある程度、はっきりしており、それに対応できる医療技術があったのなら、ルールを守ることよりも、補助心臓を使うことを優先しても良かったのでは、とも思います。既存のシステムに合わせることや責任問題にこだわっていては、結局医療技術はかなり持ち腐れになります。

今回のニュースが消えて言った理由は「デバイスラグ」と「臓器移植」が他人事だと思われているからです。このニュースを踏み台に「自分なら」を考えないと前例にはならないのです。

そろそろ患者はもっと医療現場の主役になってもいいのではないでしょうか。そうして責任の所在の押し付け合いをなくす「インフォームドコンセント」をとことんやるようにするべきです。医療行為は受ける側、する側双方が主役です。責任は1つの医療行為に関わる全ての人にあるはずです。

今回看護師という言葉が1つも出てきませんが、インフォームドコンセントに看護師は大きく手を貸せると思います。何より医療行為というチームの中で、1番柔軟性のある役、それが看護師なのです。・・・そろそろ、看護師が医師の行為に口を出せないという風潮も無くなってもいいのではないかと思ったのです。


応援クリックして下さると励みになります!
↓↓↓↓↓↓

看護師 ブログランキングへ

関連記事:オペ室

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

おすすめサービス一覧

常勤、非常勤、パート、派遣あらゆる看護師求人情報を無料で簡単条件検索し放題!!

お仕事をお探しの地域の最新求人情報を週2回配信する「ハローワークナース通信」
もちろん利用は無料です。

今、評判のよい看護師転職サイトってどこなの?⇒ 現役ナースがよく利用している看護師転職サイトをランキング

おすすめコーナー

ページ上部へ戻る
error: Content is protected !!