「聞く」ことの重要性

5-3-2「話す看護から聞く看護へ」というテーマの読み物が載っておりました。確かに、医療現場においては、患者さん自身が「病気を治す場所」と思っているせいか「病気に関する指導を受ける」という立ち位置におり、医療関係者も「医学的にはこうである」という説明をするのが当然と思われがちになっています。

しかし、例えば咳1つ取っても、咳が邪魔で寝られないというタイプ、それはいいけど咳1つ出ると肺がんの心配が出てきて、落ち着いて生活できないタイプ、自分は気にしないけど家族に迷惑がられる、と実際の病気が何であるか、とは関係なく、困っていることが違っていたりします。またこの咳の理由が、風邪だった場合と、ちょっと精密検査かな?という場合でさらに枝分れしますね。そして言うまでもなく、咳が出るのは患者本人、いくら風邪だといっても「肺がんが心配で寝られない」という事実は当事者にとっては切実なのです。こういう場合「そんなこと言われても~~気を楽に」にするか、「では安定剤か眠剤でも」にするか、が主な医療の対処法ですね。でもこういうケースって医療で解決しなければいけないのでしょうか。

医療コラムに何を書いているのか、と言われそうですが、この「肺がんかも」と思う人の背後には「若くして親が肺がんで亡くなっている」など、全く医療とは関係のないことがあるのかもしれないのです。(この場合はトラウマという分野に入りそうですが)また実はハウスダストアレルギーなのに、それに気づかず生活、そのうえ先日怖い医療ドキュメントを見てしまった、しかもその時はすでに咳が出ていて、何だかネガティブ思考だった、と、咳1つ取っても事情や生活背景などはいろいろあるのです。

今あげた例えは、アレルギーの検査、精神科などで解決可能ですが、そうでもないこと、またアロマなど別の方法で解決出来ることもありますよね。またハウスダストと言われても、1人暮らしだし、空気清浄機なんかを買うお金もないし、という人もいます。そうなると、医療による診察自体が無駄なことになります。体や心に悲鳴を上げたときに、助けを求める先は、医療機関が多いのですが、その人の症状を軽減させたり、そもそもの問題を取り除く方法は医療行為ではない可能性はたくさんあります。

昔から「恋の病は、お医者さまでも草津の湯でも治せない」と言いますよね。しかし、恋愛はとかく精神状態や健康状態を壊す状況になりがち、ストレスで起きた胃潰瘍自体は、病気治療という形で治せますが、恋の病そのものはどうにもならないのです。

さて、先日読んだ「聞く看護」コラムの舞台は英国、病院の敷地ではあるけど、やや距離のある位置に「聞き役」がいるような施設です。ユニークなのは、病人だけのためにあるわけではなく、病気に少しでも関わりのある人たちが来る場所であることです。

例えば先の例に挙げた「咳で肺がんを考えすぎる人」「恋の病で胃潰瘍な人」が身近にいて、随分私は面倒な思いをしている、という愚痴でも良いのです。実際在宅介護、看護をした人なら解ると思うのですが、1人の病人のために、家族やそこに関わる人がドミノ倒しのように崩れていくことがありますよね。その背後にあるものが、介護ではなく、長きに渡る無自覚な家族関係の恨みや、日頃言いたいことが言えていないなど全く別の所にあることも多いですよね。

時々夫婦げんかが起きると「だいたいあの時だって!」とか「いつもあなたは!」という別件などを持ちだして、事が大きくなったりするものですが、それの深刻な形といってもいいでしょう。そして崩れた家族を見ている近所の人、何とかしたほうがいいんだろうけど、関わるのは面倒・・でも見て見ぬふりって人としてどうなのか・・と思っていることもあります。そんなことを第3者に話に行けたら、負担は軽くなります。これに近いのが地域包括センターなのでしょうが、なかなか「解りやすいテーマ」が無いと足を運びにくいですよね。そもそも気軽に言っていいのかどうか解りにくい、という人も多いです。

しかし、病気というのは「切ります、治りました」という話ではないはず、そこに関わるストーリーは膨大にあるのです。しかも今は医療技術が進み、価値観も多様化、選択肢も増え、寿命も延び、と考えることは盛りだくさんな時代、中途半端なことで悩む人や生活に無理が出始めている人は多いはず、そういった人の話を聞くだけでも、かなり役に立ちますね。

また先に書いたように、話を聞いたときに返す言葉が医療行為や正論でなくても、いいと思うのです。医療という立場から見たらまずいけど「治療を休むのもいいですね」と言える医療相談所があってもいいと思うのです。極端な話、悪徳でなければ占い師を紹介したほうが、元気になれることもあります。

またうつ病の治療に各種作業療法、例えば農業がありますが、そういった所を紹介するなんて言う形がこれからはあってもいいでしょう。産学共同ならぬ、医療の異業種共同作戦です。人は、自分がやりたいことをのびのびするのが1番の幸せ、医療行為は、あくまでそのサポートの1つなのですから。


応援クリックして下さると励みになります!
↓↓↓↓↓↓

看護師 ブログランキングへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

おすすめサービス一覧

常勤、非常勤、パート、派遣あらゆる看護師求人情報を無料で簡単条件検索し放題!!

お仕事をお探しの地域の最新求人情報を週2回配信する「ハローワークナース通信」
もちろん利用は無料です。

今、評判のよい看護師転職サイトってどこなの?⇒ 現役ナースがよく利用している看護師転職サイトをランキング

おすすめコーナー

ページ上部へ戻る
error: Content is protected !!